ネオは、ペットショップで買われたコです。
詳細は、『ネオについて』にて
ネオを迎えて6年になる頃、
同居人に2度目の不義理をされた私は、家を出て行こうとしていて、
『ネオは置いていく』と、いう話になっていました。
約束した。とまでは言わないけれど
ネオにお金を出して買ったのだから、所有権はむこうにある。
と、諦めていました。
私は、ペット可の賃貸を苦労してやっと見つけて
引っ越しの準備をしているとき、友達に聞かれました。
「チョコたんもネオたんも、連れて行くんでしょ」
事情を話して
「でも、猫のトイレ掃除やお世話なんて一度もしたことないし
仕事で家に居る時間はほとんどない人だから心配なんだけどね」
と、言った私に
「ネオたん、可愛そうだよ! 黙って連れてきちゃえばいいじゃん。
もう二度と(同居人とは)会わないんでしょ」と。
「そうか!そうする!」
約束は約束。と、ヘンに真面目に考えていた私にとって
友人の言葉は、目からウロコでした。
そして、チョコたんと一緒に、ネオを連れて
ひとりで暮らす新しい(古くてボロでしたが)ウチへ引っ越しました。
大半を占めていた私の荷物を引き上げた、ガランとした前の部屋には
引っ越しを機に買い替えた猫トイレの古いほうを、ポツン。と置いて。
引っ越し当日の夜遅く。
おそらく、帰宅してネオを呼んでもどこにもいなくて、
あちこち探したであろう同居人から
「ネオがいないんだけど」
そうかかって来た携帯を、黙って切電して、着拒にしました。
窃盗とかの罪になったのかな。
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「やっちまったのじゃ」
約束を破った苦みはあったけれど、
ネオは、私とチョコたんと一緒のほうがきっといいに決まってる。
そう心に言い聞かせました。
そしてそして、その横浜から実家のある静岡へ戻るのに、更に引っ越し。
20年以上ぶりに、自分で運転する高速よりも、
青葉のインターに乗る前から、
この世の終わりみたいにキャリーで鳴きどおしのネオが気にかかった
東名での道のりも忘れられません。
あのとき、ネオは運命を自分で決めることはできませんでした。
ネオと暮らして、17年ほど。
一緒に引っ越してきたチョコたんは、もうお空に逝ってしまいました。
ヨボヨボしてきた、がんこじじいのネオを見るにつれ
「私と一緒でよかったのかな」
そう思う、そう聞いてみたい、今日この頃なのです。
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「どうじゃろうのぅ」