私は里親探しも全力で行いました。
それこそ、死に物狂いで。←必死かよ
・・・取調室にて。
「わたくしは、子猫たちがいるうちに
マモーと子猫と戯れたかった。
でもそれは、もはや叶いませぬ。」
おミキの方はため息をついた。
「わたくしは、間違っておったのでしょうか。どこで間違えたのでしょうか。
野良だったマモーのお方が我が家で産んだのも、早くやや子を手放し自由になりたかったからでございましょうか。
私の股に何度も子猫を連れて引っ越してきたのも、あれもわたくしの股に、子を捨てに来ていたと。これが育児放棄だったのでございましょうか。

マモーのお方は私の腕でやや子を産み、わたくしはその羊水をも浴びました。私のニオイはやや子の匂いも同然でございます。
Google先生は、ニンゲンの匂いがする子は母猫に捨てられるから触るでないと申しております。しかしながら、マモーのお方からわたくしを呼び、離れるなと鳴き、親子共々わたくしから離れることはございませんでした。
これでやや子にニンゲンの匂いをつけるな、など、無理にございましょう。あんまりにございます。」
ラナ猫刑事
「あんたら、仕事があるんだろう。子猫、どうすんの」
おミキ「・・・引き取ってくださるという方が、数軒あたりがございます。幸い、沢山の里親希望の方がおられまして。ただ、当初は離乳後のお渡しと言っておったので、今すぐとなりますと、授乳、排泄の世話も必要ですし、また選び直しかもしれませぬ・・・」
クロ刑事「里親が誰であろうと、あんたらよりは、マシだろうな。あんたら、猫への関わり方を考え直した方がいいぜ」
おミキの方、うなだれる
・・・・・・・・・・
コハクと麦の譲渡先は、あっさり決まっていた。というより、私にとっては最初からこの不眠症オッサン以外への譲渡はないというくらいのぶっちぎりの決定。

応募はコハク10.麦8だったけど、
他の方は連絡のレスが遅かったり、文面からメンヘラ臭がしたり、やたら遠かったりした中で、奴が不眠症であることを除けば奴が一番「マトモ」だった。
ネットでのやりとりの中、「常識的な、マトモな人」を嗅ぎ分けることは難しい。その中やっと見つけた「マトモな不眠症」手放したくはないが、最初の「離乳後引き渡し」という条件を急に変え、「授乳頼むわ!」にするなんて、こんな譲渡元の私こそ、「マトモな人間」とは言えないではないか。

私こそ、里親候補さんから、見放されるかもしれない。それならそれで仕方ない。正直に状況を書こう。
条件を
「離乳後お渡し」から
★急募★ 離乳前。授乳、排泄補助要へ。
「育児放棄されました」と、情けない気持ちでスマホに打ち込みながら、わたくしは正直、マモーのお方を恨む気持ちになっておりました。
この天使のようなやや子を置き去りに
わたくしたちを騙して押し付けて
男に狂って全てを捨てた。

「わたくしは、譲渡掲示板ではドヤ顔で
“保護した猫が出産しました“などと書いておりました。しかしその実は、“野良猫に餌をやっていたら家に居ついて子を産んでしまい、母猫にも逃げられた“が正しかったのでございます。
そもそもわたくしには、猫の里親様を募集する資格からして、ないのやも知れませぬ」
さて、難航しておったのは、モモ姫の里親選出にございました。モモ姫への応募は13。黒猫さんの里親募集の場合、里親様も「黒猫指定」が多いようで、それはそれは「我こそは!」の、まるで選挙の候補者のごとく熱い自己アピール、また、モモ姫を迎えたあかつきにはこうします!という公約付きのラブコールが殺到しておったのでございます・・・

続くのだ!!
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