茶白は生きていた…
主人から 茶トラが車に轢かれて死んでいた という話を聞いてから数週間後、再び畑に現れたのだ
茶白の再来を教えてくれたのは やはりコタロウセンサーだった

そのときは かわいい声ではなく、盛りがついたようなしわがれた大声で、窓の外に向かって まんまん泣いていた
コタロウといっしょに窓にへばりつくと、茶白の存在を確認し、コタロウのドライフードの袋を持って階下に降りた
勝手場の重いトビラを開けると、遠くに悠々と茶白が歩くのが見える
体の様子、痩せ具合、毛皮の汚れ具合など、そこからは確認できない
皿に入れたドライフードをかざして見せるようにしたが、気づくと、小走りに走って逃げていく
人慣れはしていない
勝手場のタタキの人工芝の上にドライフードの皿を置いておいた
気が付いてここにきてくれるだろうか
それから数日、朝 晩 時間を決めて 皿にいれたドライフードを 勝手場のタタキに置くようにした
秋とはいえ、まだ暑い…
勝手場は畑に面しているので、虫が多い
まず、フードの皿に吸い付く なめくじに悩まされた
特に夜になると 必ず1匹、2匹 くっついている
虫嫌いの私には厳しい…
さらに なめくじやカタツムリは 寄生虫を持っているので、万が一口にしてしまうと危険だと聞いている
フードと一緒に食してしまっては大変だ…
この危険なデザートを取り払うべく、ネットを検索すると 様々な対処法が出てきた
オーソドックスな塩
なめくじ用の除虫剤
一回り大きめな皿にエサ皿をいれてビールを張る
塩は猫が舐めてしまう可能性があり、健康被害が心配なので却下した
ビール…我が家にはビールを飲む人間がいないし、ネコがひっくり返してしまう可能性もある…
ホームセンターに行って、動物に無害な薬剤を選んで購入した
ペレット状の茶色の薬剤を勝手場のタタキに撒くと、見事、ナメクジは退散した
ナメクジは退散したが、茶白は 振舞った食事に食いつかなかった
気づかないのか、警戒しているのか…
餌の置き時間を限定していたのもあった
早朝起きてすぐに皿を置くのが6:30頃
家を出かける8:00頃には皿は下げた
夜は帰宅が7:00以降なので、なるべく7:30に皿を置くことにした
夜9:00には皿を下げるようにしていた
置き時間が短すぎるのか、ドライフードが食べられていることはなかった
餌をやるからには、ネコの避妊をしなければならない…と考えるようになった
自分が面倒を見ているネコが子孫を増やしてしまったら、ご近所に迷惑をかけてしまうし、自分も面倒を見切れなくなる
メスならば、避妊をするべきだろう
だが、そのためには捕獲して病院に連れて行かなければならず、素人の私には難しい…
私はSNS上のネコに詳しい友人にアドバイスを求めることにした
SNS上の友人Aは野良ネコを見ると助けずにはいられない
保護して、里親を探して、譲渡して… 里親が見つからなければ見つかるまで自分で面倒を見る…
結果自分の家のネコになったコもいる
その時、私は身近に相談できる相手を見つけられなかった
地元の保護団体は電話番号は明かしておらず、メールを送ったが返信も帰ってこなかった
地域の動物愛護センターは保健所と直結しているイメージがあり、相談するのが怖かった
結果的にはAに相談をして正解だったと思う
私は、Aにメッセージ機能を利用してこのようなアドバイスをもらった
・まず飼い猫かどうかの聞き込み確認を
・捕獲後どうするのか はっきり線引きすること
病気だった場合に治療してリリースか
治療するならどこまでか
急にいなくなる場合のことも覚悟する
線引きしないと…
きりがないのだろうな…
外にいるかぎり
駆虫してもきりがない…
病気だって…
どこでもらってくるかわからない
病院に行くたびに捕獲機を使って捕獲するわけにもいかない
大きな病気があった場合にどこまで治すのかも…
今生きている
その時間を少しでも快適に楽しんでもらうための手助け…
私にできることはそんなところだろう…
差別といえば差別なのだろうが
コタロウと同じにはできない
コタロウと同じように面倒をみて
コタロウと同じように健康管理をして
コタロウと同じようにお金をかける
そこまでの力が私にはない
中途半端と言われればそこまでだけれど
なにより私はコタロウを引き取ったときに決めた
このコを必ず幸せにしよう
このコの健康と幸せを害する可能性がある行動は絶対にやめよう
多頭で賑やかなネコライフを送る人たちを羨ましいと思ったことがなくはない
しかし、ウチとその人達との生活環境は違う
ウチは広くはないし、なによりも部屋数がない
新しくネコを迎えたときに最初に隔離できる部屋などないし、唯一の生活空間であるリビングだって、けっして広いわけではないから、ケージを複数設置したりするのは現実的ではない
相性が悪かろうが、片方病気になろうが、一緒に生活させるしかない
そのときのリスクを私の勝手でコタロウに負わせるわけにはいかない
結局、リリースしか選択肢がないと思った
万が一病気になっていたときの対処も、きっと最低限になってしまうと思った
中途半端はかわいそうだと
以前言われたことがあった
ネットでもいろんな人が言っていた
中途半端ってどこまでだろう…
★★★
前回の日記で茶代さんにお悔やみの言葉を複数いただいてしまい…
コメントでどう返そうか迷ってしまい、
結局 次の日記を早めにアップすることにしました
急いでアップしたのでチョイチョイ修正、追記させていただくかもしれません
ご心配いただいた方、申し訳ありませんでした
茶代さんは今でも元気です
*昨年茶代さんと出会ってからの経緯を当時のメールや忘備録を参考にして日記に起こしています
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