やや子たちを里親様に
「ぬくもりの橋」で橋渡しして
子猫たちを幸せにして
いいことでもしたような
そんな気分になっていました。
↓前回はこちら!
でもそれは
母猫マモーからしたら
タダの
猫さらいでしかないですよね。
最初マモーは子猫たちがいないことに
「あれ?おかしいな」と
とりあえず巣箱に寝転がり、
エア乳オープンにして
子猫たちが吸い付くのを待ってみたり
「・・・」

巣箱を覗いてみたり、
巣箱の外をキョロキョロしたり
「・・・」

とにかく子猫を呼んで鳴いたり
「麦千代ー❗️琥珀丸ー❗️モモ姫ー‼️」

産み落とした場所まで戻ってみたり。
「・・・」

しかし、「いないようだ!」と
悟った瞬間から
マモーのお方の鳴き方は
段々と泣き叫ぶようになってゆきました。
「どこなの?!」から
「どこにやったの?!」へ。
「やめよ、
もう子はおらぬ、
鳴くのはやめよ!」
「み、みずからおのこに狂い、
乳飲み子をおいて
大奥を出たのは、
そ、そなたではないか!」
苦し紛れに言うわたしたちをよそに
マモーは狂ったように
我が子を探してあちこちをうろうろして
みゃうー、みゃうーと鳴き続けます。

それは
わたくしたちを
「猫さらい!」
「子供を返して!」
となじるように
何時間も
何日も
続きました。
少し落ち着いたかな、と
思うと時もありますが
すぐまた思い出すようです。
また、
わたくしがついうっかり
子猫たちの動画を
マモーの前で見てしまい
「まずい!」と思った時には手遅れ、
マモーの子、麦、琥珀、モモの
高い声がスマホから漏れた途端
「はっ‼️ここに、我が子が‼️」
と、目を見開き、また数時間
子猫を探して鳴き、探し回るのでした
こんな時のマモーは、
好物のモンプチでも、
大好きな殿でも
なだめることはできず
マモーが鳴き疲れて
声がかすれるまで
探し疲れて
行き倒れたかのように眠るまで
いつまでも続いたのです。
「もしもし、○○動物病院さんてすか?」
「はい。えーと、断乳は、29日からです。
最短だと、いつですか?
ーはい。そうですね。ーはい。大丈夫です
いいえ、あの、それだと遅いんです。
多分、この子、次の妊娠をしています」
・・・・・
心を鬼に、とはこのことでしょう。
ただでさえ子をなくして
必死で探すマモーに
私は追い討ちをかけるように
動物病院に電話予約をしました。
マモーの、避妊手術
そしてそれと同時に
堕胎手術を、依頼するために。
わたしは
右手では子猫を救い、親切な里親様に
その後の幸せな猫生を約束させながら
左手では 新しい命を 生まれる前に
皆殺しにする準備をしていたのです。
命を助けたいのか、
助けたいのならなぜ。矛盾している!
そう言われるかもしれません。
実際、そうでしょう。
マモーの事は、わたしにとって大切なので、
今後発情ストレスや、
生殖器関連の病気にならないために
避妊手術はしようと思っていましたが
堕胎までになるとは。
猫からしたら、
わたしのしていることは
あまりにもむごたらしいことでしょう。
マモーからもし
「愛しているならなぜ?」
と尋ねられても
納得させる答えは出てきません。
マモーのためだよ、と言いながら
これはわたしのエゴでしょう。
ここまで
マモーの猫生を引っ掻き回して
子供をさらい、
胎児を無理やりおろして
でも、自宅で家猫にはしないなんて
わたし自らマモーの膨らみかけた腹を裂き
その手を血で濡らして
胎児を取り出すわけではないですが
それでもわたしのこの手は
ひとにそれを、代わりにさせただけで
血塗られた、「殺した手」
であることに
疑いはありませんでした。
今後わたしは、
この、マモーの血に染まって
洗っても落ちない「血塗られた手」を
ずっと背負っていくのだと思います。
マモーの子猫を奪ったことも、
そして、
新しい命までも、奪ったことも。
もう少し、続くのだ‼️
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