なんと6年ぶりだった。
私の勤務する会社の元同期で、
バイクという共通の趣味もあった。
時は5月初旬、
まさしく日本がコロナ感染フィーバーの頃。そんな時に
「よー、久しぶり。どーしてる?
今お前んちの山の近くやから
どうしてるんかなって思って」
と拓ちゃんから
6年ぶりやのに、
そしてその間一度も連絡とってないのに
まさに音信不通やったのに、
しかもこのコロナ渦の中やのに、
えらくライトな連絡が。
驚きと懐かしさで、即
「うちおいでよ!」と返した。
「え?!大丈夫なん?この時期に」
と言いつつも、
まるで最初からうちに来る気だったかのように
奴は自慢のBuelでウキウキ現れた。
(↑後から考えたら、拓ちゃん絶対
うちに来るためにこの辺に来たはず)
「ゆっくり、静かにね」と言う私に
「?」という態度の拓ちゃん。
家に入ってすぐ理解したらしい。
(↑?も理解したのもフリだったんですね)

「猫さん、おるやん‼️
うわー、知ってたら何かお土産
持ってきたのに‼️」
(↑今思うとこれもしらじらしい演技)
「そーやねん、野良やねんけど、
先月うちのソファで産んでな。
ほんまは数日前まで
子猫もおったけど、みんな
ええとこに貰われていった。
拓ちゃんちの猫さんはどない?」
「実はな、一匹増えて今6匹や。
しかしここに猫さんおるとはな〜。」
「いやー、ここで産んで避妊手術待ちなだけで、うちでは飼う予定ないねんけど」

「そうか〜、飼われへんのかぁ〜。
でも、ありがとう❗️
この子を保護してくれて‼️」
なぜか私にお礼を言う拓ちゃん。
(↑後になってわかりました。
だってこいつ、 NNNだもの)
その後も、猫さん話に花が咲いた。
拓ちゃんちには7年前一度だけ行ったことがあって、そこには保護された子、怪我した子、捨てられていた子など、訳あり猫さんが5匹もいた。
当時の私は、
「障害や病気の猫ばっかり、コイツも物好きというか、意味ワカンネーな」と思いながらやつの家の猫さんを眺めていた。
人に傷つけられた過去から拓ちゃん夫婦以外には決して懐かない猫ばかり。
猫を撫でたくて私はうずうずするのに
みんな遠くから私を警戒して見てるだけ。こりゃナデナデは無理だな。
「もしこの子らが許してくれるなら、誰かに傷つけられた傷の深さと同じくらい、俺らはこの子らを愛したい。」と言い切った拓ちゃん。それは「可哀想だから」ではない、理屈ではない、
変態レベルの愛情だった。
当時の私は「これって、アクロ何ちゃらファイル?」ってドン引きしたっけな。(今となってはすんません🙇♀️)
昔話や、お互いの近況や猫話のあと
拓ちゃんはマモーをナデナデしながら
「そっか〜、まあ、それぞれ事情はあるのはわかるから、俺は何とも言えんけど、できるならマモーちゃんは完全室内で居させてあげて欲しいなあ」
と言い残して帰っていった。

「完全室内かあ・・・」
もちろんできればいいのだけど。
やはり難しいのだ。
だから、私たちは
TNRという道を選ぼうかと
そう思っていたところなのに
拓ちゃんのこの言葉は、
その後もずっとずっと
私の胸に深く刺さっていました。
さて
皆さんは、 NNNという組織を
知っていますか?
これは、ねこねこネットワークの略。
猫好きの人間に猫(おもに野良猫)を派遣し、飼い猫として幸せに暮らさせるため暗躍している恐ろしい非合法の地下組織。

NNNは、どうやら神様の直属の組織で
「このニンゲンなら猫を幸せにできる」と認定したヒトに偶然を装ってネコを送りつけ、強制的に20年近く面倒を見させるという、極めて悪質な組織である。
その組織はあらゆるところに工作員がいて、あらゆる工作を行っているのです・・・。
今になって思うと
拓ちゃんは
NNNの工作員だったのではないか。
いや、そうとしか思えません。
6年音信不通だった奴が
あのタイミングで訪れたのは
「猫は完全室内飼いせよ」と
大奥を洗脳しようと派遣された
刺客だったのではないかと。
いつもはお客さんにはびびって
天の岩戸に隠れるマモーが、
拓ちゃんには大人しく撫でさせていたのも
これで説明がつきます。
きっと
マモー「(お、来たな、拓隊員)」
拓ちゃん「(お久しぶりですマモーさん)」
ヒソヒソと
アイコンタクトをとっていたに違いありません。
続くのだ‼️
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