
ずーっとシャーシャーだった「マチ子」の子猫
あまり長く一緒にいさせるとシャーの教育を受けてシャー子猫になりかねない
そう思っていたけどみんなちゃんと可愛く成長し、
5匹は順調に新しい家族のもとへと巣立っていった。
残る1匹は他の子に比べて成長が遅く、いつまでも乳離れ出来ずに
猫風邪の治りも悪く、その上、ひもを食べてしまうという問題があった。
その1匹につきっきりになるにつれ、なんとも離れがたくなってしまい
仮の名前そのまま「彦(ひこ)」として我が家に迎えることに。

がりがりで頬がこけていた貧相な子猫は

ぷりぷりと成長し

結果、6きょうだいの中でも一番大きな猫へと変身を遂げた(笑)
マチ子一家と並行して、個人的に依頼を受けた
シャーシャーのおっかない子猫6匹も預かり、
一番多い時で13匹の猫をお世話していた。
その子猫たちも徐々に譲渡が進み、最後の子猫が卒園していき
とうとうマチ子1匹になった。
他の猫たちとの兼ね合いを見ていて、マチ子はとても猫との距離の取り方が上手だった。
人間には相変わらずシャーだし、かなり攻撃性もあって
子育てが終わったら避妊手術をして元のあのえさやりの場所にリリースする予定だった。
…だったのだが。
夏の台風の時、冬の吹雪のとき、急に熱くなったり寒くなった日
あたしは毎回、今度はいつ会えるかわからないマチ子を思い胸を痛めるだろう。
雨風はしのげているのか、空腹ではないか。
いや、マチ子は外でもしっかり生きていける。
でもあたしはマチ子なしではもう普通に生活できない。
マチ子は何度もあたしに子猫を奪われ、「人間」というよりも
あたしのことを許さないかもしれないが、あたしの家族になってほしい。
マチ子のこれからの一生に責任を持ちたい。

そしてマチ子はシャーしながら現在も同じ場所で暮らしているのだ。
いつか自宅に連れて行って本当の家族になる日も近い。
今は触れないけど、そうして懸命に生きているマチ子が愛おしいのだ。
「くろ」は絶対に捕まえられない
と話していたえさやりさんは、あたしたちの本気をみて考えたのか、
本当に野良猫を捕まえられたら手術代を出せと言われるのでは?と恐れたのか、
外に餌を置くのをやめてくれた。
そのおかげで近隣に猫はほとんどいなくなった。
TNR
捕獲し、不妊手術をして、元の場所にリリースする
本当は全頭にこれをしたかった。
生きられなかった「しるべすた」の1.5か月の命に報いるためにも。
⑤へつづく
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