気になるワード玉手箱⑤

2020年8月11日(火)

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最近気になったワードについて、ちょっとだけ整理して日記に置いてます。

そして「覚え書き」のようなものですので、コメントは不可としております。

ーー寄付、寄贈の開示義務ーー

これまで「気になるワード玉手箱②～④」で寄付や寄贈の種類やそれに関わる「税」のお話をまとめてきました。

今回は「寄付、寄贈の開示義務」についてです。

寄付や寄贈は第三者のお財布から受けたものですので、扱いが難しいです。

すなわちトラブルになりやすい部分を多く含みますので、慎重かつ誠意ある対応が大前提だと考えますが、ではルールとしてはどうなのでしょう。

ここから本題に入ります。

税務上は寄付、寄贈の記帳義務はない、とするものの、それでは、寄付や寄贈を受けたものを収支報告書として開示する義務があるのかどうか。
そこにフォーカスしていきます。

法人格を持つ団体と任意団体
NGOにしてもNPOにしても法人化している団体と法人化していない団体があります。

法人化した団体は所轄庁に毎年収支報告書の提出が義務づけられています。
届け出を出し登録を受けているわけですから不透明な収支報告書を提出すれば登録の取り消しや悪質な場合、監査が入ることになります。
【法人は収支報告書の開示が必要】

一方、所轄庁に登録のない任意団体の場合、収支報告の義務がありません。
そのため集めた寄付、寄贈をどのような割合でどう使うかは団体に一任されています。
【任意団体は収支報告書の開示が必要ない】

つまり、法人に寄付や寄贈した場合どのようなお金の使われ方をしたかが明確であるのに対して、任意団体のお金の使われ方はわからないということになります。

フリーランス(個人)のような立場で活動する人も任意扱いになりますので、収支報告書の開示義務がありません。

ここで「義務」というワードが出てきましたが、となると当然出てくるのが対義語の「権利」です。

本来的には「権利を守る為に義務を果たす」というのが正しいのですが、昨今は片方の(権利)だけが独り歩きをしている場面を多く見かけます。

そんな背景を踏まえた時に

寄付や寄贈を募った際に「収支報告書を出せ、見る権利がある」という声が出ないとも限りません。

それに対して、「開示義務が無いから見せない」の一点張りになってしまったら…

トラブルに発展しかねませんよね。

法律的には開示義務が無いにしろ、率先して収支報告書を開示することにより寄付や寄贈を受けたものが「どう使われたか」を明確にしていれば寄付や寄贈をした方たちの信頼や安心に繋がるのは間違いないと言えそうです。

個人の場合であれば収支報告書という形式にこだわらずとも、もっとラフな形(例えば家計簿の記帳レベル)の記載でも足りるでしょう。

要は、
「いつ」「何の目的で」お金が出入りしたかが明確であれば良いのです。
難しく考える必要はありません。

また、不特定多数の目がある場で収支報告を公開するのであれば

①日付
②何の目的で
③幾らの金額が出入りしたか

の記載で足ります。
(個人の場合)

個人情報に繋がる記載は扱いが非常にデリケートですので、むやみに公開するものではありません。
それとは別に詳細を書き留めたものを手元に用意しておけば、万全といって良いでしょう。

ーMEMOー

・法人は開示義務あり

・任意団体(個人含む)は開示義務なし

・トラブル回避の観点から敢えて
　開示する必要性はある

14 ぺったん