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木目と同化
その日は断続的に雨が降っていて、ムッとする篭ったような重い空気。夕方、雨上がりの隙間に換気しようとキッチンの窓を開けると、何やら声が。細くて途切れ途切れなしゃがれ声だけれど、何か切なさを含んだような。もしかして!と慌てて声の主を辿ると、
あの野良猫さんがやって来ました。
しかも玄関から!何故玄関から訪ねてきたの?しかも一度会ったきりで。
ドアを開けると、アプローチの階段を登って来るのが見えたのですが、10センチも無い段差で足が覚束ないのかよろけていました。ドアの前に来ると、体全体で苦しそうに呼吸しながらだらんと手足を投げ出して横になりました。
あちこちが薄汚れて足は泥だらけ、目ヤニがドロっと出て、目の上や腕には真新しい傷、ハァハァと浅い呼吸、雨の合間を縫って慌てて来たのか身体は少し濡れていて、それ故野良猫さんの身体からは魚が傷んだ様な生臭さと古くて埃まみれの古いお布団、カビ臭い泥が混ざり合った何とも言えない臭いが…。そんな哀れな姿で必死にか細く鳴いて何かを訴える。
助けて欲しいのか、その時そう思いました。
そうか、助けを求められているなら、まず目の前のやるべき事をやろう、他の事は後で考えよう。
そして使用していないキャリーを物置から引っ張り出し、軍手と洗濯ネットをセッティング。恐る恐る横たわる野良猫さんの身体の下に手を入れると…全くの無抵抗、されるがまま。しんどくてもはや気力も無いのかと思ったけれど、キャリーに入るのは抵抗。抵抗中も爪を出したり噛む事も無く、動きもとにかくスローだったので、イケると確信。恐らく、ここで大暴れされたり俊敏な動きだったなら怯んで諦めていたかと思います。
強引にキャリー押し込んで、家の猫さんを見て下さっている先生に野良猫を見てもらえるか電話をしました。快く許可を頂き、診療時間終了間際の病院に滑り込み。
明日に続きます。
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