おむすび親子は足下ばかり見て歩きます。
お金落ちてないかなぁ~ではなく。
特に夏は何か生き物をさがしてしまうからです。
おぉ兄と おむ母が日が暮れてから買い物へ行った帰り道。
「この前この木でセミの幼虫見つけたんだよね。
またいるかなぁ?今日は居ないね~」
ふと見ると、羽化しかかりの幼虫が足下に落ちていました。
…どうする?たぶんこのコ、このまま置いておいたら羽化の途中で殻から出られずに死んでしまうよ。
(前回 家でそうなってしまったコを 埋めたばかり)
「どっかつかまれる場所につけてあげたら?」
蚊に刺されながらも、どうにか捕まれそうな枝に乗せてみたけれど。
本来羽化の途中(半分出てる状態)ではもう場所を変えたりすることはないので、自らつかまることもしない。
そのまま 手のひらの上でヨイショヨイショと殻から出ようとして、ポロッと殻から抜け出てしまいました。
(足が固まって、羽がある程度伸びるまでは殻から出てはいけない)
そのまま置いてくれば、蟻か鳥かに食べられるか、人間に踏み潰されてしまう。
どうにかセミの成虫になって、空に飛ばせてやりたい…
と。
帰宅後、こむすびたちと懸命に応援したのだけれど。
足は一本足りなくて。
羽がクシャクシャなまま
『セミ』になってしまいました。
飛ぶことも、満足に歩くこともできない『セミ』
口の部分も曲がっていて、樹液も吸うことはできない『セミ』
きっと他のセミより、成虫でいられる時間は少ないね…
「…お外は飛ぶことできないし。
でも何年も土のなかで暮らしていて やっと成虫になれたんだから。
長生きできなくても。最後までお世話する」
外を歩いていると、足を全て組んでしまっているセミの亡骸を見かけることが増えてきました。(足が開いているのはまだ生きていることが多いように思います)
「なんでかな…」
今年の夏は短いからね。
こんなに暑いけど。もう暦の上では『秋』なんだよ。
だからセミたちは大急ぎで土から一斉に出てきて、一生懸命鳴いて…
終わっちゃったんだよ。
「このコは結婚できたのかな。たくさん空を飛べたのかなぁ」
と言いながら、道のはじっこにセミの亡骸をよけてあげました。
さて。おむすび家は この暑いなかキャンプにやって来ました。
どうするのかなぁと思っていたら、
あの飛べないセミを大事そうに虫かごに入れて抱えて一緒に連れてきました。
虫かごには、次々にツクツクホウシやら(コレもそろそろ寿命がくるっぽい感じ)、
ナントカ虫だとか、コクワガタだったりナントカクワガタだったり…
セミくんにはお友だちができました。
(ともだち…なのか?)
日射しが強すぎて、森の中から出られずにいて。
「じゃ、焚き火やる!」
えー、焚き火するともっと暑いよ💦との声にも耳を貸さず。
自分達で小枝を広い集めて、以前違うキャンプ場で拾ってきた松ぼっくりと、今回は麻紐を忘れてしまったのでティッシュペーパーをちぎって。
ファイアースターターで頑張って…
でもやっぱり難しかったので、
使い残しの火おこし用のグッズ(文化火おこしだっけかな、だいぶ気化しちゃってた💧)をちょっとだけ足してあげて。
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やった!ついたよー‼️
五時過ぎたらやっと少しだけ暑さが和らいできたので、公園へ。
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6時過ぎの公園…密じゃない。
Tシャツの色が汗と汚れで変わるほど、走り回って。
「お腹すいたー」
とテントへ戻ってくると すぐにセミくんのもとへ。
「…あ。セミくん。もう動かなくなってる。
公園で遊んでいた時に ひとりで死んじゃったんだ。ごめんね」
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あのとき。
羽化途中のまま「落っこちちゃったんだねー、残念だね」と そのまま見て見ぬふりすれば良かったのかな。
でも、飛べなくても このセミは 成虫にはなれた。
だけど、成虫になる目的は果たせなかった。
それでも。
こむすびたちは このセミくんのこと、
彼らなりには大切にしたんだと思う。
それで良かったのかな…セミくん。
ごめんね、ちゃんと元気に空を飛ばせてあげられなくて。
こむすびたちの心にはどう響いたんだろう。
たった、一匹の
たかがセミなのかもしれないけれど。
なんとなく記憶に残りそうな出来事でした。
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