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野良猫さんが去った後、やはり考えるのは彼の事ばかり。野良猫さんはあまり長くないだろうな、状態から見ても年齢的にも間違いなく。それなら家に入れてあげれば良かったのか、いや飼う気はない、でも心配でたまらない、でも野良猫は皆独りで死ぬ、でも彼はきっと好きで野良猫をしてる訳じゃない、だってあんなに人が大好き…。野良猫さんとの出会いから始まった感情のシーソーはついにメリーゴーランドに。
その夜、外国に住む元獣医師の姉に相談しました(今は人間の医療職従事)。姉は幼い頃からよく野良猫を拾ってきていて、外国にいる今も保護猫を4匹飼っています。「無理せず出来る範囲でやれば良い、ノミ駆除だけでも随分楽になったはず。しんどくて訪ねてきたなら、それだけでも喜んでるのでは?」との返事。それでも、捕獲して病院まで連れて行ってまた外に放して、自分は何がしたかったんだろうなと情けなくて仕方がありませんでした。
そして2日後の夕方、案外早く再会の日がやってきました。野良猫さんがまた庭先に。何だか少し元気になっているような。どんよりしていた顔つきに少し表情が出て、鳴き声も少し大きくなっていました。相変わらず動きはのっそり遅く、フラついていましたが…。声を掛けると、ゴロンと横たわってゴロゴロ。撫でてやるとスリスリ。撫でると満足そう。くしを通すと、動くノミはほとんど見つかりませんでした。
…その時やっと、ただただ撫でて欲しくて今まで家に来ていたのかもしれない、と思い至りました。確かに以前の状態だと、どんなに人懐こくてスリスリしてきても皆触るのに躊躇してしまうと思います。手入れされていないボサボサでパサパサで薄汚れた毛並み、黒い泥がしっぽに固まり、高齢のせいか鼻や目や口のピンクの部分に黒いシミがポツポツ、ドロっとした茶色い目ヤニ、明らかに不健康な歩き方に息遣い、しかも湿度が高いと臭う。戸惑うのも最もだけど、決して野良猫さんのせいではない。こんな些細な望みも叶わない人(猫)生を送って欲しくない。
野良猫さんは撫で撫でが大好きで、離れようとするとこちらに手を伸ばしてお腹を見せて撫でてアピール。
撫でて欲しかったんだね、うん。
顔をグッと押しつけるので、目ヤニが手に付く…。
やっぱり、とにかく面倒みよう。出来るだけ綺麗にして健康にしてあげよう。もしかしたら高齢でも新しい家族に会わせてあげられるかも知れない。とにかくやってみよう。今度は冷静な気持ちでそう思いました。そして、改めて掃除したキャリーを引っ張り出しました。
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