1日楽しく過ごして
宿泊する旅館へ到着。
部屋へ入るとすでに、
テーブルいっぱいにお料理が
用意してある……………
………でも、
だいぶ前に用意されたらしく、
温かい料理は冷め、
お刺身は乾いていた、、、
なんて経験ありませんか?
最近はあまりないかもしれませんが、
昔って、けっこうそういう事、
あったような気がします。
僕が20代半ば頃勤めていた
温泉ホテルのお話。
第2回です。
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僕が勤めてた温泉ホテルは、
温かい料理は温かいまま、
冷たい料理は冷たいまま、
お客様へお出しする、、、
……というのをモットーにしていました。
働いている従業員にしてみれば、
それは決して楽な事ではありません。
そりゃあ、、、
お客様が到着していようが、いまいが、
料理出しておいて、
サッサと帰宅するほうが楽ですよね。
温かい料理は温かいまま、
冷たい料理は冷たいまま、、
という事は、、
たとえ、ひと組でも
到着が遅れてるお客様がいたら
帰れません。
20代半ばの若かった僕は、
なるべく早く帰って、
遊んだり、、自分の好きな事をしたい、
そんな気持ちでいっぱいでした。
自ら求めて始めたわけでもない
厳しい懐石料理の世界に、
やりがいなど感じていませんでした。
ある日、、、
18時から宴会開始予定だった、
30名以上の団体様のご到着が
遅れていました。
19時過ぎても到着しません。
フロントさんが、
厨房へ状況を報告に来ました。
その団体様は、
元、教職員の集まりだということ、、
つまり、、皆様、そこそこ高齢。
のんびりな旅行プランにすべきなのに、
旅行会社が、かなりタイトな
スケジュールを組んでしまい、、、
予定より遅れ、、、
さらに渋滞に巻き込まれてしまった
との事。
到着はまだみたいです。
心の中で、
勘弁してくれよ~~~💧💦💦
って、うんざりしていました。
予定どおりなら、
お料理出して、
片付けすれば帰れるのに、、、
この団体様が到着しなきゃ
帰れません。
20時を過ぎ、、、
記憶は定かではないですが、
21時近かったかと思います。
フロントさんが、
厨房へ駆け込んできました。
『到着されましたーーー!!』
続いて、中居さんが、
お客様の情報を、、、
もう、皆様疲れ切っていて
機嫌も悪い。😰
食事はもういらないから
お風呂に入って眠りたい
と、おっしゃってる……………
『そんな事おっしゃらずに、
温かい料理が出てきますので、
少しでも召し上がって下さい……』
と言って、
宴会場のほうへ案内したとの事。
GOサイン❗❗
それ、いけぇ!!
………って感じで、
お料理を出していきました。
………すべての料理を出し終え、、
後片付けを済ませ、
朝食の準備をしていると、、、
中居さんが厨房へ
駆け込んできました。
温かい料理を召し上がって、
皆様、機嫌が良くなって
きました~~~~✨✨😭
ありがとう
ございます~~~⤴️⤴️♪♪
…………良かった。
素直にそう、思いました。
帰るのは遅くなりましたが、
そんな事、、、
どうでもいいと思いました。
温かい料理。
お客様が喜ぶ料理。
機嫌が悪かったお客様が
機嫌を直してくれる料理の力。
なんて素晴らしい仕事なんだろう。
なんてやりがいのある仕事なんだろう。
温泉ホテルに入社して
初めて思いました。
………いや、、
仕事にやりがいを感じたのなんて、
社会人になって初めてでした。
ご馳走………………
お客様をもてなす為に走り回る。
手間をかけない、
食べる人の事を考えない、
冷たい料理に感動する人はいないでしょう。
……でも、、、
走り回って、、
苦労して、、
帰宅時間は遅くなっても、、
心のこもった温かい料理には、
人を喜ばせる力があります。
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