当時の日記はもう残ってないので、
もう一度書きおこしてみたいと思います。
2011年4月のお話です。
くるくるはまだいません。
当時、僕とうにさんが
ふたりで暮らしていたのは、
一軒家タイプの団地(貸家？)
２DKのボロい家。
(当時の携帯画面の接写です。)
小さくて狭い世界で、
飛び回って遊ぶうにさん。
もっと大きな家で
遊ばせてあげたかった………
そう思わずにはいられなかった。
うにさんは、この小さな家で、
生涯を終えるだろう………
………でも、
ふたりでのんびり静かに過ごせるなら
うにさんが安心して暮らせるなら
それでいい。
そんな風に考えていました。
……突然のお話。
両親の持ち家を
僕とうにさんが頂けることに。
両親は今住んでる家があります。
その家とは別の家。
僕とうにさん、ふたりだけの家。
両親が亡くなったわけではありません。
説明は難しいので省略しますが、
生きてるうちに遺産分け、、、
とでも考えてください。
有難い話ですが、
僕の両親への返事は、
『うにさん次第』。
犬は人につく、
猫は家につく。
………と言われるように、
猫にとって引っ越しは
大変なストレスになり、
命懸けになる事もある………
本で読んだことがありました。
知り合いの話では、
数十メートルの近所へ
引っ越しただけなのに、
猫ちゃんが体調崩して
死んでしまったと…………
引っ越しが原因だとは
限りませんが。
後日、
新しい家を見に行ってきました。
今の家からクルマで10分ぐらいの場所。
まわりは少しの住宅と、
あとは田んぼと畑。
街から離れていて
クルマもあまり通らない場所なので、
とても静かな良い場所です。
近くの森からウグイスの鳴き声が
聞こえてきます。
２階建ての４DK。
うにさんが飛び回れる広さ。
２階の窓からは
うにさんが
いろいろな方向の景色を
眺められる。
僕としては、自分の家になるので
いままでのような賃貸ではないので、
家賃を払わなくてもいいのが
なにより有難い。
………でも、この引っ越しに
僕の気持ちは関係ない。
うにさんが気に入ってくれるか
どうか、、、それのみ。
子猫の頃ならまだしも。
高齢11歳(当時)のうにさん。
ちょっと家から連れ出すだけでも
『嫌だ、嫌だ、もう帰る、もう帰る』と
鳴き声をあげるので、
ここ数年は、外に連れ出してない。
それに、
僕にも寂しい気持ちはある。
うにさんと出逢い、
10年以上、ふたりで暮らしてきた、
思い出が詰まった家。
🍀計画を立てた。
クルマで10分ぐらいの場所。
うにさんと僕の荷物だけなので、
そんなに多くない。
あんまり荷物を積めないクルマ
だけど10往復ぐらいすれば、
僕ひとりで引っ越し出来る。
ゴールデンウィークが近いので、
初日に
うにさんのニオイの付いたこたつや
ネコハウスなど
うにさんのもの全部と、
僕の必要最低限のものだけ運ぶ。
もちろん、うにさんも連れていく。
２、３日はなるべく一緒に居てあげて、
うにさんの様子を見る。
うにさんが大丈夫そうなら、
残りの荷物を少しずつ運んでくる。
……でも、、
うにさんの様子がおかしかったり、
もう帰る、もう帰ると鳴き続けるようなら、
うにさんを連れて、元の家へ戻り、
引っ越しはあきらめる。
まさに、うにさんの気持ち尊重、
うにさん次第のお引っ越し。
慣れてくれればきっと、
うにさんにとっても、
今の家より住み心地の良い家になるはず。
うにさんはこたつの上で、
安心しきった表情で眠っていた。
今後、どうなるかも知らずに。
なんだか切なくなって涙が出そうになった。
新しい家でもこんな表情で
安心して眠ってくれればいいな。
新しい生活に向けて、
期待半分、不安半分。
そんな日々を送っていた。
４月15日 21時。
しきりに口元を舐めている。
変なものでも食べたか。
気持ち悪いのか。
同 23時30分～
激しい嘔吐。
数回吐いたあと、
腰が抜けたように
その場にへたりこむ。
その後、朝まで、
１時間間隔ぐらいで吐き続ける。
吐いた後は、泡を吹いてしまう。
横になって眠らない。
うずくまって目を閉じて静かにしている。
水の器の前に行くが、
なぜか水が飲めない。
水の器の前に座って
5分も10分も、
水を飲みたそうに眺めている。
やっと飲んだ水も
しばらくして吐いた。
引っ越しの事など、
頭から消えてなくなった。
引っ越しの準備などは
全くしてなかったけど、
僕の期待と不安の気持ちを
悟ってしまったのだろうか、
そんな風にさえ考えた。
病院通い。
肝臓が大分悪く、腎臓も少し悪い。
高齢だから、少し心配と言われた。
吐く回数は減ったが、
全く食欲がない。
水は少し飲むが、
すぐに吐いてしまう。
このまま、何も食べれない状態が
続いたら…………………
数日経っても、
あまり回復している様子はない。
僕以外にはなつかないうにさん。
病院で暴れてしまい、
点滴も打てない。
劇的に回復してくれるなら、
病院へ行くさ。
でも、大して回復しない。
逆にストレスのほうが心配。
病院通いを止めることにした。
覚悟しなきゃならないのか………
お別れなのか……………
ふと、思ってしまった。
世界が表情を変えた。
長野県の４月中旬は、
桜がちょうど見頃の時期。
病院からの帰り道。
僕の目に映る景色から
色が消えた。
……………続く。
ぺったん したユーザ
ぺったん
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