とても会社に行く気にはなれなかった。
午後には火葬場に行き家族5人そろって葬式をあげた。
夕方早い時間からやけ酒のような献杯をし、眠ることもままならず、携帯の写真を一枚一枚めくりながら、「よもぎ」をお気に入りに登録した。
悶々とする中で「よもぎ」の面影を探してネコジルシにたどり着いた。
目に止まったのは10日前に我が家に来たキジトラだ。
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その時は家族の諒解を取ることもなく、勢いだけで里親に応募した(ごめんなさい)。
なぜかこの仔じゃないといけないと思った。
既に4名の応募があり、保護主さんからの返事も直ぐには帰ってこなかった。
翌日、家内にネコジルシを見せながら「我が家にはこの仔が必要だ」と懇願し理解してもらった。
早速、どうしたら保護主さんに振り向いてもらえるかを考えた。
見るとキジトラは人気だが、姉妹の三毛には応募がない。
写真を見てみると何となくみすぼらしく写っていたが、顔を見ると美形だった。
家内と相談の上、「ぜひ2匹を引き取りたい」とコメントを添えてこの仔猫にも応募した。
…保護主さんから連絡が返ってきた。
このご縁を逃がしてなるものかと、即行動した。
お見合いすらしていないのにネットでケージを購入し、脱走対策の内ドアをDIYで作る準備にも取り掛かった。
「よもぎ」を忘れる為ではなく、「よもぎ」の代わりでもなく、新たに我が家のアイドルを迎えることが心の支えになると思ったからだ。
そんな勝手な思いを知ってか知らずか、10日間が過ぎても2匹の「フーッ!」「シャーッ!」は止まらない。
…それでもお腹を見せて寝ている姿を写真に撮らせてもらえるようになった。
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しばらくケージのドアを開けっぱなしにして外に出てこないか試してみた。
しかし、どうしてもケージの中の段ボールがお気に入りらしい。
でもこの段ボールも仔猫が成長しているせいか、そもそも無理やり2匹で入っているせいか、少し歪んできた。
段ボールが破ける頃にはケージの外に出てきてくれる…と嬉しい。
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