深夜最後に言葉を交わした時には、
かろうじて動けていた。
でも、移動しようとはしなかった。
最後の場所を、自分の隣にしてくれたのか。
冷たくなってはいたけど、
上半身の撫で心地と、
肉球の柔らかさは変わらなかった。
もう心を交わす事は叶わないけれど、
いとおしい姿。
このまま残して置けたなら、
どんなにか…。
だけど初夏の今、そういつまでも
そのままには出来ないと思い、
自宅で夕方焼いてもらった。
1日くらいなら置けただろうが、
名残が尽きない事はわかっていたから。
業者の方に骨上げを告げられ
見ると、結構きれいに残るミコさんが。
病さえ無ければ、まだまだ生きられた
かも知れないなんて考えてしまった。
亡くなってはいても、
そこに居るのと、お骨ではかなり違う。
母を火葬した時にも感じた
喪失感に襲われながらも、
骨壺を受け取って思う。
小さくなっちゃったなあ。
お礼を言って玄関に戻った時に。
どうしようもなく泣けました。
立って居られなかった。
もうあの愛しい緑の眼差しは。
愛らしい声は。
温もりと手触りは。
…遠い思い出になってしまったのだと。
もう失われてしまったのだと。
そう突き付けられた気がしたから。
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ミコ…。
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