高齢者が子猫を飼うということ

2021年5月22日(土) 840 / 0

私は医療従事者で、病棟に勤務しています。
患者さんは高齢者の方が多いのですが、猫を飼っておられる方も多く、猫話で盛り上がることもよくあります。
入院中、ご家族が猫の面倒を見てくれている場合は良いのですが、それぞれの事情もあり、きちんとお世話が出来ていないことも…

特に単身世帯だと、たちまち猫の面倒を見てくれる人を見つけないといけません。
これは高齢者に限らずですが、普段から
「もし自分に何かあったら、この子をどうするか」
を考えておいて欲しいと思います。

少し前の話ですが、単身の高齢の方が入院してきました。
自宅には猫が２匹おり、府内に住むご家族が３日に一度、ご飯をあげに通っていると聞いていました。
トイレ掃除も必要なので、３日おきでは可哀想と患者さん経由で伝えても、
「なんで猫の世話まで見なあかんねん」
と言われたとのこと。
結局、施設に入所し自宅は引き払うことになり、さあ猫はどうしようと関わっている人達で話し合いになりました。
その時、家族の方がほとんどお世話に通っていなかったことが分かりました。
慌てて担当者に、家族の承諾を得て自宅を訪問してもらいました。
そこで、すでに亡くなっていた一匹と、弱っている残りの一匹を発見。
もっと早くに動けば良かった、引き取ると言えば助けられたのではないかなどと後悔し、涙が止まりませんでした。
生き残った一匹は、ご家族の知り合いに引き取られました。

それ以外にも、親が飼っていた猫を、猫嫌いの子どもが仕方なくゲージに閉じ込めて飼っている。
外に放り出した。
保健所へ。
などなど…
私の周りだけで、年に数件聞いています。

猫は２０年生きるとして、自分は２０年後に何歳になるか…
「失礼な、まだまだ元気や」
と思われるかもしれません。
もちろん、年齢に関係なく、また病気に限らず、人生には色々なことが起こります。
ただ確率的に、高齢の方の場合は面倒を見られない状態になる可能性が高いのでは、またその子ども世帯もそれぞれの生活を抱えている世代に当たるのでは…と思っています。

里親募集においては、実際に面倒を見てくれる後見人を立てられるかは分かりません。
「何かあったら面倒見ます」と言っていても、いざと言う時には見られないこともあります。
５年、１０年で状況が全く変わっていたりもしますし、それぞれ色々あるでしょう。
だからこそ、自分で最期まで面倒を見るつもりで…
子猫を迎えても最期まで見られるかを考えて欲しいと思います。
そして、成猫をという選択肢も加えて頂きたいです。

気分を害されたら申し訳ありません。

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