非常に楽しい時間で、あっという間に深夜だった。
みなさんそれぞれ、個性豊かな可愛い猫をお飼いで本当に喜ばしい。
こすもさん、お忙しい中、ありがとうございました。
さて、筆者は毎日、猫のメンテをしつつ、細かく見張る。
特に、月齢が小さい〜1歳くらいまではしつこいくらいにやる。
これには、猫を慣れさせるのとは別に、重要な理由がある。
猫の感染症の早期発見だ。
白血病とか猫エイズのように、危険度が高そうであっても年単位の緩やかな病状変化をするものは、比較的管理しやすい。
しかし、FIPのように劇症型のものは、早めに管理しないと問題がある。
特に、猫風邪みたいな状態を見せる腸管ウイルスから変異すると言われるFIPVは、厄介だ。
治す薬も海外物で強烈に高価だし、さりとて放置すれば2週間程度で死んでしまうこともある。
なんか調子が悪いな〜様子見ようとみているうちに危なくなるのだ。
しかも症状だけでは即時に獣医で判断しにくいのもいやらしい特性だ。
↓↓↓↓
猫に多い感染症一覧リスト~原因・症状から最新の治療法まで
https://www.konekono-heya.com/byouki/infection/index.html
↓↓↓↓
猫伝染性腹膜炎(FIP)~症状・原因から予防・治療法まで
https://www.konekono-heya.com/byouki/infection/fip.html
この病気の理解は、一般的にかなり乏しい。
先日も、あるサイトで可愛い猫動画として紹介されていたものは、FIPっぽい子猫のお腹パンパンの画像だった。
鼻水を出し、少し目がうつろで腹パンパンとくれば、お腹いっぱい食べて眠そうなんていう世界じゃない。
実際、飼い猫が罹って初めて知った、何ていう方も少なくない。
しかしこの病気、未承認の薬があっても一回の治療サイクルで100万は優に超える治療費がかかる。
劇症過ぎて気が付かない内にとんでもない状態ということもある。
原因は猫腸管コロナウイルスと解っていても、どういった理由で変異しFIPVになるのかもよく解っていない。
海外の文献をみても、内容はほぼ変わらない。
↓↓↓↓
Feline Infectious Peritonitis
https://www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/cornell-feline-health-center/health-information/feline-health-topics/feline-infectious-peritonitis
https://en.wikipedia.org/wiki/Feline_infectious_peritonitis
https://icatcare.org/advice/feline-infectious-peritonitis-fip/
重要なのは免疫疾患でADE(抗体依存性感染増強)だ。
↓↓↓↓
コロナウイルス感染症と抗体依存性感染増強:ヒトと猫の場合
今週のヘッドライン 獣医学の今を読み解く【第 29 回】
https://media.eduone.jp/detail/10639/5/
ネコ伝染性腹膜炎ウイルス感染において同一の血清型ウイルスに再感染すると、抗体依存性増強が起こる
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19122397/
経口I型ネコ感染性腹膜炎ウイルス(FIPV)感染症の病因:経口経路を介したI型FIPVの猫の抗体依存性増強感染症
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31019150/
実験的または自然にネココロナウイルスに感染したネコの血清によるネコ肺胞マクロファージおよびヒト単球細胞株U937におけるネコ伝染性腹膜炎ウイルス感染の抗体依存性増強
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9492360/
抗体依存性免疫増強とは?~ワクチン接種による副作用について~
https://www.macrophi.co.jp/special/1984/
アレルギーに似ているが、仕組みは異なる。
これらは発症を防ぐワクチンの生成が難しいという事を示す。
その前駆体である腸管コロナウイルスへの感染を防ぐしかないんだが、これも一般的すぎてあまり実用的ではない。
発症のメインは2歳くらいまで、70%が純血種の子猫で発生する。
簡単に言えば、コロナウイルスが増殖する際に変異し、FIPVとなり、ADEを起こして劇症症状を生じるような感じだ。
ものすごく簡単に言うと、しょうもない下痢風邪にかかったら変異してとんでもない病気を生じる可能性がある、ともいえる。
しかもこの元になるウイルス、その変にいるやつでかかりやすいものだ。
猫コロナウイルス(FCoV)RT-PCR
https://www.vet.cornell.edu/animal-health-diagnostic-center/veterinary-support/disease-information/feline-coronavirus
https://en.wikipedia.org/wiki/Feline_coronavirus
https://www.uwsheltermedicine.com/library/resources/feline-infectious-peritonitis-feline-coronavirus-fip-fcov
以下抜粋
FIPは、特定の免疫応答を伴う遺伝的に感受性の高い猫内でのFCoVの突然変異の特徴的な発生に起因します。この変異ウイルスは細胞に関連しているため、通常、ある猫から別の猫に直接感染することはありません。病気は一般に、FCoVに感染してFIPVに変換されてから数週間から18か月以内に発症し、多くの場合、リホーミングや避妊去勢手術などのストレッサーの後に発症します。
病気の発生率は二峰性であり、18ヶ月未満および12歳以上の猫で最も一般的に発生します。FIPを発症するリスクに寄与する遺伝的要素があるため、FIPを発症した子猫の同腹子はリスクが高くなります。残念ながら、FIPのリスクがあるFCoV血清陽性猫のグループから、どの猫が病気を発症する可能性が最も高いかを予測する方法はありません。
---
GS-441524
https://en.wikipedia.org/wiki/GS-441524
レムデシビル 獣医用
https://en.wikipedia.org/wiki/Remdesivir#Veterinary_uses
なんと、人間のコロナ用薬剤と同じもの。
この為、防御になるのかは判らんのだが、仕組み上、猫本来の免疫応答を下げないようにすることと、清潔に保つことが重要になると思う。
腸管コロナウイルスが増殖してしまう理由を断つという観点だ。
へなちょこウイルスが変異してFIPVになりFIPを発症する、その前のへなちょこウイルス状態の時に断つ事が、地味だが最も有効な気がする。
普段から体調管理と体重管理などをきちんと行い、変化を見逃さないということも重要だろう。
また、治療に用いる薬もはやめに認可をしていただくよう、要求を出していくことも必要だ。
ただし、ただいまコロナ対応関連で入手が厳しいのも難点だ。
そういったことなので、猫のこまめなチェックと体重測定などを欠かさないわけだ。
手足のウンコにしても肛門にしても除菌のウエットシートでこまめに拭く理由でもある。
気休めにしかならんレベルだろうけども、やらないよりマシかも?程度だ。
ただし発生率はかなり低いから、むちゃくちゃ神経質になる必要もない。
そういう嫌な病気があるということを頭に入れておいて欲しい。
さて、いつもの。
1stソフィアが舐めハゲができて薬を塗ったので、残りの2匹もあまったエリザベスカラーをまいてみた。

なんだか3匹でお見合いしてぎょっとしていて、かわいかった。
しかし、カラーを物ともせず普通の生活をしている2ndクレア。

長毛種だからなのか、全く気にしてない。
逆にすごく気にしているのが3rdルシア。

しかし、深夜運動会をする時に、これはかなり効く。
かなりやわらかいソフトカラーなんだが意外だねえ。
最近のコメント