子猫6匹の世話と飼い猫3匹の世話で多忙な私に家主から連絡があった。
外から入ってきて居着いていたシロくんがブルブルふるえているという。
何それ。シロって。聞いてない。
しかし、すぐに家を出ることはできず、訪問できたのは1時間後だった。
起きろよ!起きろよ!と号泣する家主。
シロくんは亡くなっていた。
突然死だ。
初めて見たシロくんは体格も毛づやも悪くない。
いったい何があったのか。
こんな環境だ。
病気だったのかもしれないし、何か変なものを食べたのかもしれない。
家主はシロくんを抱きしめ号泣している。
高齢者が号泣している姿を見るのはつらい。
最後にシロくんと写真を撮ってくれという。

私は家主をなだめるしかできない。
シロくんは1年ほど前から、家に入ってきた子だという。
よく慣れており、常に家主の側にいたことから飼い猫だったのかもしれない。
でもこのままにはしておけない。
この家で朽ちて逝くのはあまりにもシロくんがかわいそうだった。
私はシロくんをお墓に入れてあげようと、ペット火葬に連絡し花を買いに出かけた。
そして1時間後、共同墓地の埋葬費用を支払い、家主と共にシロくんを送り出した。
私が感じたことだが、家主は子猫の死には酷い言い方だが慣れているのだと思う。
今までも乳飲み子がゴミに埋もれて死んでしまったことから、洗濯カゴをかぶせて子猫が散らばらないようにしていたのだ。
交通事故で亡くした子もいるが、シロくんのような突然死は初めてだったのかもしれない。
そんなことを考えながら、やりきれない気持ちで店舗に戻った私は、白い長毛猫と目が合った。
見たことがない猫。
間違いない。ここにはまだ猫がいる。
家主は正確な頭数を言っていない。
3日後にTNRを控えているが、1度では終わらないかもしれない。
家主を問いたださなければと思ったが、私は何も聞かなかった。
シロくんを亡くしたばかりで憔悴している。
無理に聞き出して3日後のTNRをやめると言い出しても困るのだ。
申告通りなら5頭。
捕獲器は家主の拒否反応も強く何度も失敗している。
自ら捕獲しキャリーケースに入れてもらうしかない。
キャリーケースは予備を含め7個用意した。
捕獲してくれることを願うしかないのだ。
そしていよいよTNRの日を迎える。
続きます。
最近のコメント