私はロイカナのフードと器とペットシーツを持って家主を訪問した。
白長毛にだけ、持参したフードを食べさせて、きれいな水をたっぷりあげること。
必ず寝室内で子育てさせること。
シーツを敷いて汚れたら交換すること。
私はママを刺激させてしまうから、今は会いに行けない。
ママも子猫も家主がしっかり守ってほしい。
絶対に死なせたくなかった。
毎日の電話連絡で、ママと子猫の様子、茶白の様子を聞く。
また、頻繁にお菓子を持って訪問し、家主がデジカメで撮ったママと子猫、茶白の写真を確認する。
一度だけ子猫の様子を見に寝室にはいったが、ママは姿を隠した。
私はママと子猫を一緒に保護するつもりだった。
家主が守りぬいたママ猫をどうしたら手放してくれるのか。
考えても仕方ない。ストレートに話すしかない。
6月初旬のある日、いつものように家主を訪問した。
生後1ヶ月をめどにママと一緒に保護して、里親さんを探すつもりだと提案する。
家主は冗談だと思っているのかまるで取り合わない。
しつこく食い下がる私に、家主はこう言った。
子猫はたくさんあげたじゃないか。
そんなに猫がほしいのか。
家主にとって私はただ猫を欲しがる人にしか思えないのだろう。
どの猫も大事な子だが、白長毛は一番大事な子。
私は家主の年齢や環境や金銭的なことにもやんわりと言及したが、ガンとして譲らない。
日を改めて説得しよう。
白長毛だけではない。他にも猫がいるのだ。
いずれ一頭づつ引き出し、広く里親募集をすることになるかもしれない。
私はネコジルシにアカウントを作った。
定時連絡をしていたある日、家主は暫く留守にするので、子猫だけを引き渡したいと言ってきた。
ママがあまり授乳をしなくなっているとのこと。
子猫達の何匹かは三毛ママのおっぱいを吸っていると言う。
初めてのお産で上手く育てられないのかもしれない。
また死んじゃうかもしれないよと言う家主の言葉に、私は保護することを決意した。
そして6月18日、4匹の乳飲み子が我が家にやってきた。
茶シロ2匹、黒キジ、白ブチ。
電気毛布を弱く設定し、ポータブルケージを乗せ、シーツを敷く。
絶対に死なせてはならない。
私の子育てが始まった。


続きます。
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