大怪我をした寝たきりの子猫が『タイ』そして、やんちゃで甘えん坊が『ふー』です。
二人の子猫がやってきた我が家はより一層賑やかになりました。
子ネコ達の行動で一喜一憂です。
「あ~ だめだめ ふーちゃん!!」
タイの体が動くことを知ったのか、ふーがタイに抱きつきネコキックを仕掛けます。
元気な頃はこうやってお互い遊んだのであろうと想像します。でも今のタイにはそんな元気な頃のような反応はできません。タイの反応がないことでふーのネコキックがますます激しくなります。その度に妻は、ふーとタイを引き離します。
「ふー!! たいちゃんは な まだ動かへんから・・・な。」
引き離しても、引き離してもふーはタイのそばに行こうとします。
ふーが遊びの気分ではないときは本当に仲のよいほほえましい様子なのですが・・・

「どうしょう 一緒にしてやりたいけど ふーがなぁ~」
「そうやなぁ お互い寝ているときはええんやけどなぁ おきるとなぁ」
「ふーも遊びたくてしょーがないんやなぁ」
「あ~ あかん あかん またや!!」
一緒にいさせてやりたいけど、やはりタイの傷口が開くといけないので気が付く度にふーを引き離し、抱っこをしながらふーに言い聞かせます。
ある日、いつものようにふーを言い聞かせていると横からケープが近づいて来てふーに飛び掛りました。
「あっ!! ケープ!!」妻がケープをしかりました。
「あ いい いい」私は妻を止めました。
ふーの何倍もの体重があるケープがふーに飛び掛りすばやく抱きかかえるとケープはふーにネコキックの乱れ打ちをしだしました。
「え・ええの?」
「ええやろ。 ちょっと様子みよ」
ふーも負けてはいません。必死に反撃をします。ケープが少しひるんでパッとふーを放しました。
両者にらみ合い、チビのふーも肩をいからせて睨んでいます。
ケープがちょっと目を放した隙にふーが飛び掛りました。そんな、ふーの作戦もむなしく態勢はすぐに逆転!!またしても、ケープのネコキックの連打がふーを襲い掛かります。
でも私達にはケープが手加減をしてふーの相手をしていることはすぐにわかりました。
こんなことがあってから、ふーとケープの戦いは何回も見られるようになります。
戦っていないときでも二人は常に一緒にいるようになりました。
ケープがかごに乗ったらふーもかごに乗り

ケープがしっぽを振るとふーがじゃれ

ケープが妻のひざの上に乗ったらふーも乗り
ケープはごろニャンすればふーもごろニャン
ケープのすることをすべて真似るふーになりました。
タイとふーを呼んだのもケープなら『ウ~!!ウ~!!』と威嚇したのもケープ。
そして遊びたい盛りのふーの相手をしてタイを救ったのもケープでした。
ふーはこのように元気に遊びよく食べ先住ネコ達と打ち解けていきました。
でも、相変わらずタイは体が動くといっても寝たきりで定期的にミルクを与えているだけでした。そんなタイがいつもより体を動かそうとする様子をたまたま見ました。
「あれ? どうしたん? タイ」
「起きようとしているのかな?」
「あっ!!ひょっとして!!」
私はタイを手のひらですくい『ネコ砂トイレ』まで運びタイをそっと砂の上に置きました。
「あっ!! やっぱり」
「えっ?」
「ほらほら」
「あっ」
「あああ がんばれ!!がんばれ!!」
「あ 出た!! 出た!!」
「えらい!! えらい!!」
「よう 頑張ったなぁ~」
ネコ砂トイレで後ろ足を内またで立ちお尻を浮かして必死で頑張っていました。
立ったといってもそれはもうとても不安定なものでした。
そんな姿を見ていた私たちは、変な話ですが『うんこ』が出たことにとても感動しました。
でもこのネコ砂トイレに連れて行ったことがきっかけでタイは翌日、私たちにすごい根性を見せることになります。
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