猫たちと過ごすすべての人たちへ

先週に23日の朝方、私の半生を共にした愛猫が他界いたしました。

本当に愛しい子で、私が落ち込んでいたときにはずっと慰めていてくれた優しい子でした。
前日まで、もう一匹いる愛猫と一緒にあそんでいました。
コタツの中で平穏に寝ていました。
ご飯も普通に食べていました。
いつもと変わらない日々でした。

翌日、父が会社へ出かけたときには姿を現しませんでした。
年もあるので、稀に寝ている事があります。
父はそのまま出勤していきました。
その20分後、母が床で倒れ冷たくなっている夢宇太を発見しました。
目を見開いたまま、何かを吐いたようでした。うっすらと血にそまっていたようにも見えました。
たった20分で、すべてを奪われてしまいました。

猫と共に生活をする皆さんは、いずれ私と同じ時を迎えることでしょう。
そのときを迎えた私だからこそ、皆さんにお伝えしたいものがあります。

猫と我々の寿命は大きく違います。
彼らの旅立ちを見送ることが出来る事を、幸せに思ってください。
彼らを残していくより、ずっと幸せなことです。

猫と我々の寿命は大きく違います。
我が家の夢宇太は14年で生涯を閉じました。
日本人の平均寿命は81歳です。
夢宇太は、私たちの5.7倍のスピードの時間を走り抜けて行きました。
あなたの愛猫が、あそぼと声をかけるとき、あなたは忙しかったり疲れていたりするかもしれません。
でも、あなたのその猫にかける時間は、かれらにとってはその5倍以上の価値があります。
天秤にかけてみてください。
どちらを惜しみますか？

猫と我々の寿命は大きく違います。
彼らと我々とでは成長スピードが大きく違います。
その老いを見つめてあげてください。
彼らは確実に我々の5倍以上のスピードで老いて行きます。
自分が老いた時にどのように過ごしたいかを考えて、彼らにそれを提供してあげてください。
どうか、老いから目をそらさないで下さい。

我々の周りには、大切なものが色々とあると思います。
愛猫がそれらを壊す事もあるでしょう。
一時は腹が立つかもしれません。でも、本当にその子の命よりも重い物ですか？
どちらか一つをとれと言われたとき、迷いなく愛猫を取るのではないでしょうか。
どうか、許してあげてください。
特にお金で買えるものは、頑張って働いてまた買いなおすことができるんです。
かわりもあります。どうか、許してあげてください。

日々、どれだけ愛情をもって接していても、亡くしてしまったときには必ず後悔をしてしまうでしょう。
でも、もっと納得できるほどに愛情をかけてあげてください。
また、周りで愛猫や愛犬を亡くしたという人に「○○ちゃんは幸せだったとおもうよ」や「あんまり悲しんでいると、○○ちゃんも悲しむよ」という言葉はかけないであげてください。余計に辛くなります。
自分の至らなかった点が色濃く思い浮かぶのです。余計に自分を責めてしまいます。
できれば、ただ静かに亡くなったその子の思い出を聞いてあげてください。
その子がいたことを共有してもらえる事が、何より嬉しいです。

亡くしてしまった人は、本当に辛い思いをするでしょう。
でも、亡くなってしまった事を否定しないで下さい。
彼らは、頑張って頑張って頑張って、最期を迎えることができたのです。
亡くなった事を認めることはできなくても、最後まで頑張った事は認めてあげてください。

私も、彼が最期まで頑張ったという事実を侮辱したくはありません。
なので、彼が生涯を閉じその死というゴールを迎えたのだと考えています。

夢宇太と出会えた奇跡に感謝します。
私にとって思春期という大事な時期を、彼が共に過ごしてくれたことに感謝します。

どうか、猫達を愛する皆さんに平穏な日々が続きますように…。