しかし、いざツメを切ろうとすると、モモは泣きながら激しく抵抗しました。
「なんでこんなひどいことするの」と、生後40日の子猫が、私に抗議しているようでした。
私はしちゃいけないことをしたと思い、以後爪切りをやめました。
その日、モモは怯えてこたつのかげに隠れてしまいました。
そのまま休みましたが、夜中に私の布団の中に潜り込んだようで、朝は私の首に巻き付いて眠っていました。
猫は歩く時、爪をギュッと押し出して前に進みます。人は歩く時、足の指に力を入れます。足の指を使わなくても歩けなくはないけど、歩きにくいです。猫の爪は、人の足の指と同じ役目をします。
モモはたまにうっかり私の足を踏んでしまいます。その時、爪が刺さって痛いです。うんと踏ん張るので…。わざとじゃないので許してやりますけど。
その後モモは、階段の上り下りを覚え、家の中を走ったりジャンプする様になりました。モモは家の中を全力疾走します。ジャンプ力がすごいです。もし爪切りしていれば、こんな動きは出来なかったと思います。
各家庭で様々な事情があるので一概には言えませんが、私達(モモと私)の場合は爪切りをやめて本当に良かったです。
自慢の爪です(モモ、2歳の時)
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確かに爪切りしないと、引っ掻きが心配です。
モモも子猫の時はあっちこっち引っ掻いて大変でした。しかし、モモは爪を使っちゃだめなときがあることをちゃんと知っていました。例えば、私を引っ掻くことは決してありませんでした。
服はよく引っ掻きました。私と服は別物だということをちゃんと知っていたのです。モモに引っかかれてボロボロになったセーターを、今も思い出に取ってあります。
ルールは徐々に覚えます。衣類、布団、カーテンなどを引っ掻いちゃだめということは比較的容易に理解しました。苦労したのは、柱など木でできたもの。元々野生の猫は木で爪とぎをするので、それをだめだと言うのは猫にしてみれば理不尽なことです。
たまたまダンボールを積み重ねていた場所で、モモがダンボールのギザギザで気持ちよさそうに爪とぎをしているのを発見しました。これは良いと思い、ダンボールを重ね合わせてモモの爪とぎを作りました(今はペットショップなどで普通に売っていますが、2004年当時はありませんでした)。ダンボールの爪とぎは大正解でした。
モモは爪の管理の仕方をよく知っていました。爪とぎや走っている最中に古い爪が取れて新しい爪に変わります。17歳までモモの爪の状態はとても良かったです。
しかし高齢になり爪とぎと運動とをしなくなった時は危険です。爪が歪んで、ひどいときには指に食い込みます。こうなったら人の手でケアしてやるしかありません。
先日、モモは、動物病院で、無理やり爪を切られるという被害に遭いました。その病院は大学病院で、飼い主を診療に立ち会わせません。私の知らない所で、モモの爪を勝手に切ってしまったのです。モモはパニックになりました。
その後、モモは爪とぎができなくなりました。歩き方もぎこちなくなりました。
爪とぎをやめると、あっという間に爪が変形します。たった2ヶ月でこんなに変形してしまいました。
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爪とぎがいかに重要であるか、よくわかります。
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