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写真はうちで飼うことになった日の映画鑑賞!限りなく実写に近いライオンキングを見ている息子の背中🥰過去に戻ってでも抱きしめたくなるような後ろ姿です(親バカかもしれないけど、ほんとこのちょこんとした姿が愛らしいの)
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
夫の出勤時間になる前に、買ってきたものでキャットケージを作りました。ある程度土台ができると夫は子猫を抱っこしていたのを膝に乗せて様子を見ていたのですが、ハサミと結束バンドでケージを作る私に子猫は興味津々で、構ってくれと近寄ってきます。大事なお髭を切ってしまうんじゃないかと何度もハラハラしました。やがて夫は仕事の準備をする為に部屋を離れ、見送りとお礼を言い、それから黙々と作業をしてやっと子猫のケージを完成させました。
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棚の部分は高さを作りすぎたので後日調整することになりましたが、日々の仕事よりも達成感がありました。
私の作った初めてのケージを気に入ってくれるともっと嬉しかったのですが、子猫は閉じ込められていると感じたらしくベッドも水もご飯も見向きもせずによじよじと棚に登っては抱っこを強請るばかりでした。隔離もできて様子もひと目でわかるようになったので私はパソコンに向かいその日の仕事を進めました。
キリのいい所で洗濯カゴにシーツを敷き、被せたブランケットをクリップで止めて最寄りの動物病院へ連れていきましたが、「オイルを舐めてるかもしれないからうちじゃなくて大きい病院に連れて行って欲しい」と、受付を通して貰えませんでした。診られない事情があるのも理解しないといけないことですし、そのような状況でも私がしっかりしないといけないはずなのですが、籠の中で不安そうに鳴いている子猫よりも、不安になったのを覚えています。その日の仕事のノルマも残っていたのと、紹介された病院へ行くには時間がかかる為当日中に診てもらうことは諦めざるを得ませんでした。
がっかりしながら家に帰って、キッチンの計りに子猫を乗せ、抱っこ抱っこと暴れるせいで針が大きく揺れているのを眺めながら、見た目はぎょっとするかもしれないけれどこんなに元気なのに、この子の未来を守ってやることは出来ないのかなあとそんな気持ちになっていました。たった500グラム程しかない小さな身体で、腕の中で安心して目を瞑る姿はこちらの気など知らずに笑っている様に見えました。
部屋に戻って、離れたがらない子猫を無理矢理ケージに押し込めて、今度はシャンプーを求めてホームセンターへ出かけました。里親に出すつもりでも暫くはうちで過ごしてもらうのと、今後の躾の為に猫用のトイレと砂も購入しました。
部屋に戻ると、子猫はケージの入口でベッドの縁に座り込んだまま寝ていました。
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帰ったことに気づいてまたにゃあにゃあと鳴き始める中、トイレを開封し、ケージの中へ入れました。
本当ならば翌日以降にしてあげたかったのですが、その週の仕事の進捗を考えると次に病院へ連れて行ってあげられるのは3日後になりそうだったので、結局この日にシャンプーを試してみることにしました。
洗面台にぬるま湯を溜めて子猫を足からつけたものの嫌がるばかりで、赤ん坊の様な鳴き声をあげては小さな爪で器用に肩まで登って逃げてきます。気の毒になりながらも、我慢だよ、ごめんね、我慢してね、と声をかけ、丁寧に身体を洗ったのですが、オイルまでは落とすことが出来ませんでした。ドライヤーも同じように嫌がると思ったのですが、膝の上で暖かい風に当たり、安心したのかちょこんと大人しく丸まっている姿が可愛らしかったです。
膝の上で眠る姿が愛おしくてそのまま寝かせてあげたかったのですが、その日の仕事を終わらせようと子猫をケージに戻してパソコンに向かいました。大急ぎで仕事を進めているので振り返ることも出来なかったのですが、ずっと私の背中に向かって寂しそうな鳴き声をあげてはうとうとして、キーボードの音でハッとしてまた鳴き始めてを繰り返していました。今すぐ抱っこして寝かせてあげたいという気持ちと戦うのが大変だった覚えがあります。初めての猫との生活で、初めての子猫で、いつかは私の元を離れることを考えると『貴方はひとりで眠れるようにならなきゃいけないのよ』そう考えて行動していた時期でもありました。
その日の仕事が終わり、自身のお風呂を済ませて、夜のゲームの時間になりました。ゲームのお友達とボイスチャットを繋ぎ、今日の出来事を話しました。「マジで奥から赤ちゃんの泣き声が聞こえる」「全然寝てくれないねぇ?」みんな笑って聞いてくれて、ゲームをしている最中も鳴き声は止みませんでした。数時間しか寝てないはずなので心配になり、鳴き疲れて眠るのを待っていたのですが気持ちが負けてしまい、膝に乗せてゲームのイベントを消化しました。
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膝に乗せると鳴き声は嘘みたいにピタリと止んで、子猫はうるうるとした瞳でゲームの画面を見始めました。「ほんとに赤ちゃんみたい!」「最早お母さんだね!」ボイスチャットでそんな言葉を聞いて私は少し嬉しくなっていました。
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初日はすごく長くて、心配になったり不安になったりする事もあったけれど、子猫の寝顔を見て拾ってしまったことに後悔はないと再確認しました。母親とはぐれひとりぼっちになってしまったこの子が少しでも長く生きられますように、過酷なお外で生きるよりも幸せだと感じられますようにと願ったのを今でもよく覚えています。
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