このグラフは、2004年から2020年までの、保健所、動物愛護センターなど行政に引取られた猫の数と、どうぶつ基金によるTNRの実施頭数を比較したものです。
「保健所などに引取られる猫」は、人から見て過剰な猫、増えすぎた猫に他なりません。
その数は、2004年から現在まで、コンスタントに下がり続けています。
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「保健所などに引取られる猫」は、飼い主又は第三者から届けられるものです(現在、行政は猫の捕獲を直接しません)。
第三者が届ける猫は、捨て猫又は捕獲された野良猫です。
その数は、飼い主が届けた猫の数の約3倍、大部分が子猫です。
どうぶつ基金は、TNRによって野良猫の繁殖を抑えることにより、保健所などに引取られる猫を減らすことができ、ひいては殺処分も減らすことが出来ると主張しています。
しかし現実は、どうぶつ基金の主張とは全く異なるのです。
以下のグラフ、TNRがほとんど実施されていなかった2013年以前の推移を見て下さい。
どうぶつ基金の話が本当なら、その時期は野良猫が増えて増えて、「保健所などに引取られる猫の数」は右肩上がりになっているはずです。しかし実際は全く逆、右肩下がりに減り続けているのです。
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次に、TNRが桁違いに増えた2016年以降の推移を見て下さい。
どうぶつ基金の話が本当なら、野良猫が減り、「保健所などに引取られる猫の数」は激減するはずです。しかし実際は、それ以前の推移と違いが見られません。
この二つの事実は、以下のことを証明しています。
①TNRをしないでも、過剰な猫の数を減らすことが出来る。
②TNRをいくらやっても、過剰な猫の数を減らすことは出来ない。
*上記グラフは、環境省発表の統計資料https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html、どうぶつ基金の事業報告https://www.doubutukikin.or.jp/report/の各年度ごとの「さくら猫不妊手術の実施数」をもとに、作成しました。
(後編では、どうやって過剰な猫の数を減らせるのか検討します)
海辺の野良猫
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