この貼り紙は、先月下旬に知り合いから教えてもらい、写してきたものです。うちから歩いて30分ほどの、公園のフェンスなどに4、5枚張られていました。🐿️
猫捕りって、今や都市伝説じゃないんですか?とか思う方も多いのではないでしょうか。わたしもそんな感じですが、いろいろ調べてみて解ったことや、ちょっと思ったことを書いてみます。たぶん、たいして面白くはないです。🐮 ご了承ください。(-_-;)
これを貼った人は、猫捕りの現場を目撃したのかな? 仮に猫ちゃんを捕獲してるのを目撃したとして、それが皮革や虐待目的と思える根拠はあったのかな? 警察に通報したってのは本当なんだろうか?
あれこれ思ったのでありますが、そもそも「猫捕り」ってものが現在にもあるんだろうか?ってことですね。猫を捕獲する目的は、例えばペットとして飼いたいとか、虐待目的とか、動物実験用とか三味線の皮など考えられるわけですが、昔から「猫捕り」という言葉が差していたのは、三味線の皮を得るための捕獲でありました。はたして、現在でも三味線の皮は、猫の皮を使っているのでしょうか。🐊
三味線皮の製造業者は20年前には20軒ほどあった。だが,原皮が手朝日新聞 1997年9月9日
に入りにくくなって次々と廃業し,全国邦楽器商工業組合連合会に
加盟する業者は4軒になった。このうち3軒はけいこ用三味線など
につかう犬皮専門。プロの演奏家が求めるような猫皮を製造するの
は,皮を入念になめして「張り皮」にする技術で県の選定保存技術
保持者に認定されている関西の1軒だけだ。
猫の原皮は,「猟師」と呼ばれる捕獲業者から仕入れる。戦後200
人ほどいたが,1974年の「動物の保護及び管理に関する法律」(動
管法)施行後は減り続け,今では2人。先の一軒によると,入手でき
る原皮の量は,去年の暮から以前の10分の1になった。仕上げる量は
月に約300枚,使いものになるのが200枚ほどという。
これは朝日新聞の記事を、日本実験動物技術者協会というところが、会誌に転載したものです。1997年9月ですので、およそ25年ほど前の状況ですね。🐏
現在では犬皮、猫皮いずれも99%が中国や東南アジアからの輸入だそうです。他にカンガルーや合成皮なども使われるそうです。しかし、何事にも表と裏があるように、猫捕り業者数や猫皮製造業者に持ち込まれる数については表向きの数と考えたほうがよいのかもしれません。🐭
奈良県の選定保存技術者に認定されている橋本さんに取材した記事がありました。橋本さんは猟師ではなく、猫皮の製造業者です。
橋本さんの「しごと」の歴史は、そのまま世間の偏見と闘ってきた月刊お好み書き1996年4月1日号
歴史でもある。「演奏する人は人間国宝と言われているのに、その
材料を集めてつくる側は“ドロボー”よばわりですからね」
特に近年の動物愛護の空気が橋本さんの立場をさらに苦しくして
いる。猟師(ネコを捕まえる人)は一応飼いネコは捕まえないこと
になっている。ただ、多くの場合、ネコは放し飼いである。目印も
付けていない場合も多い。捕獲されたネコの中に飼いネコが含まれ
ている可能性は橋本さんも認めている。当然動物保護、特に愛猫団
体からの抗議は強い。
猫の捕獲業者の減少で原皮が入らなくなり、三味線の張り皮製造が生業として難しくなった橋本さんですが、中国などからの輸入品を代用することで、どうにか凌いできたわけです。🐶
しかし、橋本さんの猫皮へのこだわりは、演奏者が音に求めるクオリティの高さと同じで、輸入物で補うことは難しいのかもしれません。
橋本氏は、「皮には目的にあった剥がし方がある。均一に剥がせば邦楽ジャーナル271号 2009年8月1日
良いというものではない。しかし、輸入皮はそういうことがわから
ずに剥がされているため、皮は薄く、質が落ちる」と嘆く。..
常磐津節三味線の人間国宝常磐津英寿さんは「猫皮は厚みが中央と朝日新聞 1997年9月9日
周囲とで違い,その厚さと薄さの微妙なバランスがいい共鳴を生む。
音質で猫皮をしのぐものはない」と言う。
猫皮の耐久性ですが、およそ2年ほどと言われています。2年に一度新しい皮に張り替えなくてはならないのですね。ごく一部の三味線であるにせよ、継続的に猫皮の需要があるとすれば、猫捕りが単なる都市伝説で終わりとは言えないですね。🐸
猫捕りに会わないよう、猫ちゃんの脱走防止策を徹底するのだ。😿
引用させていただいた朝日新聞、「月刊お好み書き」それぞれの記事は下の通りです。興味を持たれましたら、ぜひ読んでみてください。
日本実験動物技術者協会 会誌より 朝日新聞1997年9月9日
http://www.jaeat.org/kouhou/20/21.html
月刊お好み書き 1996年4月1日号
http://www.livex.co.jp/okonomi/9604/top.html
邦楽ジャーナル271号 2009年8月1日
https://www.fujisan.co.jp/zasshi_kensaku/261534/?q=%E6%A9%8B%E6%9C%AC
最近のコメント