
私がはじめてTNRした子
はじめて出会った時から約5年間、自宅に通ってくる子を見守ってきました。
2020年の夏頃に、食欲が落ちた様子で少しずつ小さくなっていくので心配していましたが、避妊手術の時に捕獲したとき以来、一度も触ったことがありません。
少し触れようとすると、スッと身を引いて逃げてしまうので、どうすることもできず。
エサにサプリメントを混ぜたり、できる限り高カロリーのものを与えようと工夫したけど、夏が終わるころには目に見えて痩せてしまったのがわかりました。

出会った頃はふっくらしていたのに・・。
1日2回ほどご飯を食べにきてたのに、徐々にその頻度が減り、ついに10月になると10日ほど姿を見せなくなりました。
「もう会えないのかも知れない」と半ばあきらめかけていたときに、家の前に置いてある寝床用の発泡ケースに入っていたのを発見しました。
迷いましたが、捕獲して病院へ連れて行くことに決めて、革手をつけて捕まえようとしたら、あっけないほどアッサリと捕獲できました。
もう抵抗する気力も体力ものこされていなかったのです。
病院で検査したところ、腸のあたりに大きな腫瘤があることがわかりました。
エコーだけではハッキリわからないけれど、腫瘤は1つだけではなさそうだと・・。
私にできることは、とにかく苦痛を取り除き、少しでも食べられるようになって欲しいということだけでした。
食べて、動けるくらいの体力が戻ったときには、そのときに改めて治療の方針を考えることとして、この子が苦しくないようにして欲しいとお願いしました。
2日の入院をして、脱水症状を改善し、ステロイドによって食欲も出てきたため、退院して家でお世話することにしました。
うちには病気の猫がいるため、隔離してのお世話でしたが、あれほど触られるのを嫌がる子が、抱っこもできるほど心を開いてくれました。
3週間、懸命に生きようとする姿をそばで見て、私もできる限り近くに寄り添いお世話しましたが、2022年11月7日の午後、私の腕の中で天使になりました。
さくら猫になってからも、地域の人にはほとんど懐かなかった子です。
うちの子として見送りました。
思い出すと、まだ涙が込み上げてきますが、過酷な環境で生きる猫が1匹でも減るように、私のできる範囲で活動しようと思っています。
今はとにかく、我が家にいる元保護猫の2匹が幸せに穏やかに暮らせるようにお世話することに専念しています。
最近のコメント