サプリメントやペットフードの分野では、嘘や間違った情報が氾濫しています。
例えば、サプリメントのコラーゲンは全くのインチキです。
コラーゲンは3本のタンパク質の高分子が螺旋状に巻いて出来た構造物で、線維芽細胞によってのみ作ることができ、サプリメントのコラーゲンは使い物になりません。
出典
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Collagentriplehelix.png
コラーゲンは線維芽細胞は、50歳を過ぎると20歳の頃の半分になってしまいます。
肌のシワやたるみ、動脈硬化、腰痛が起こるのはそのためです。
グーグルで「コラーゲン」を検索すると、サプリメントの宣伝がズラズラ並びます。
専門的な文献はずっと後ろの方、科学の常識が嘘に覆い隠されているのです。
真実を見つけ出すことがどれだけ困難かわかります。
私は、サプリメントの反対者という訳ではありません。
私は生物化学が専門で、同じ生物化学者でノーベル賞受賞者ライナス・ポーリングのビタミン主義の影響を受け、ビタミン剤を積極的に摂っていた時期もあります。
今はもうビタミン剤の常用をやめましたが、風邪をひいた時などにビタミンCを服用します。
ビタミンCは、体内でのインターフェロン合成に必要な物質です。
ビタミン剤は常用すべきものではなく、必要な時に摂るものです。
一昨年前に亡くなったモモは、腎臓病の輸液が原因で脚気になりました。
脚気の治療には、ビタミンB1を通常の100倍量ほど投与します。
私がモモの病気が分かった時は手遅れで、モモは治療を開始して3日後に心臓発作で死にました。
大学病院の獣医は脚気という病名すら知りませんでした。私が自分で治療しました。
もっと早く気づけば助けられたのに、悔しくてたまりませんでした。
獣医学はどうしようもない程遅れていて、輸液がビタミンB1の欠乏を招くこともほとんど知られていません。
さて本題の猫のごはんについて。やはり様々な情報が氾濫しています。
グーグルで、「猫」「生肉」で検索すると、トップと2番目に出てくるのがこれです。
①【獣医師監修】猫は生肉を食べても大丈夫?与えるメリットや効果はあるの?
https://nyanpedia.com/catfood-raw-meat/
②【獣医師執筆】猫に生肉はあげちゃダメ!理由や症状を詳しく解説、鶏も豚も牛もNG
https://petlife.asia/column/article314/
①は、生肉の栄養学的な効果に否定的な見解を示した上で、あえて生肉を与える場合は野生動物がそうであるように、新鮮なものを与えるべきとしています。
②は、「猫に生肉はあげちゃダメ」とし、感染症など様々な危険性を列記、生肉を全面否定しています。
①②とも、猫は総合栄養食のキャットフードで十分な栄養が取れると締めくくっています。
「獣医監修」「獣医執筆」と謳っているように、どちらも獣医です。
一方、グーグルの5番目に出てくる「ぽちたま薬局」。
③「犬・猫に生肉を与えるメリットとデメリット」
https://pochitama.pet/wp/rawmeat
こちらは「犬や猫の体は、そもそも生肉を食べるようにできている」としています。
また、「急に生の肉を与えると下痢や嘔吐を起こす場合があります」「生の肉には、寄生虫や雑菌も存在します」とデメリットも挙げています。
①②の獣医の見解と③のぽちたま薬局の見解、随分違います。
ここで獣医師について一言。
医者は、臨床データを発表してこそ価値があります。
例えば、「鶏生肉を食べて食中毒をおこした猫から、ノロウイルスが発見された」というように…。
実例を示さずに、あれやこれや論じるのは医者の取るべき態度ではありません。
実際、猫が生肉を食べて病気になったという報告は、ゼロではないが非常に少ないです。
さて①②獣医vs③ぽちたまです。
どちらの言ってることが、より正しいとみるべきか?
獣医にしてもぽちたまさんにしても栄養学の専門家ではありません。
世間の人は誤解をしているようですが、獣医は栄養学の専門家ではありません。
薬の専門家ですらなく、大部分の獣医は製薬会社が提供したノウハウに頼っています。
何が正しいのかを判断するには、その人がどんな利害関係を持っているかを考えることが重要です。
動物病院の待合室には、大抵ペットフードのポスター、試供品などが置いてあります。
獣医の中には、それを勧める人もいます。
待合室に、お肉屋さんのポスターなんて貼ってないでしょう?
それが答えです。
ペットフードを勧めることも、獣医さんの仕事なのです。
ちなみに「ぽちたま薬局」は、動物病院と利害が対立します。
ぽちたまさんは薬局ではなく、薬の個人輸入の代行業者です。
多くの薬は、海外から個人が輸入でき、獣医に処方してもらうよりずっと安く手に入ります。
「ぽちたま薬局」は、生肉に関して利害関係がないので、中立の立場を取っていると言えるでしょう。
今の世の中、残念ながらお金で動いており、利害関係によって言うことが違ってきます。
本来この様な記事は、動物学者、生物化学者、栄養学者などの専門家が書くべきなのです。
生肉について、より専門的な記事があります。
動物園の大きなねこさん達についてのものです。
「腎臓患ったライオンは健康的に鶏肉の餌―飼育員が長寿動物たちの生態、秘訣説明 京都市動物園で」
出典:産経新聞
https://www.sankei.com/article/20170919-KEV5QXMSCJKKRCJZJV2PEYRXRU/
「ライオンのナイル(オス、23歳) 高齢のナイルも腎臓を悪く…このため、好物の馬肉ではなく鳥肉を中心とした餌を与えたり、餌に薬を混ぜたりしている。」
【池田動物園公式】ライオンのチャーリーの食餌の様子
ライオンのチャーリーくんの食餌の様子です。普段のエサは鶏肉・馬肉・シカ肉・骨付シカ肉等を中心で与えています。
(苦手な人は見ないで下さい)
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よこはま動物園ズーラシア
子虎の成長記録
出典:
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/details/post-1918.php
鶏ガラなどを置き餌にしています。
「動物園の食材と栄養バランス」
「ライオンやトラには、大きな牛肉のかたまりや、内臓をぬいたニワトリ一羽丸ごとを与えています。」
出典:
http://nakigoe.jp/nakigoe/2008/09/report01.html#:~:text=%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%84%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%AB%E3%81%AF,%E9%AA%A8%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%BE%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
神戸どうぶつ王国に聞いた「エサ代がかかる動物1位はスマトラトラ…」
出典:
https://maidonanews.jp/article/13863500
スマトラトラの1日の食費は3,800円、馬肉や鶏肉など1日5キロとのことです。
この値段は、安いペットフードよりやや高く、高級ペットフードよりはずっと安いですね。
いかがでしょうか?
動物園の大きなねこさん達、ちゃんと生肉食べてますよ。
獲ったばかりの獲物に比べたら、あまり新鮮じゃありません。
スーパーなどの食肉ほど、衛生管理は行き届いていません。
でも腎臓病のライオンのナイル君、鳥肉食べて23歳になっても頑張ってます。
町の獣医さんが検証もしないで適当に書いた記事よりも、ずっと説得力あると思いませんか?
獣医師会が過去60年間、競争相手を増やさないために獣医学部の新設を妨害してきたことをご存知ですか?
昭和の中頃から最近まで、多くの大学、学部が新設される中で、獣医学部だけは60年間全く新設されなかったのです。
猫や犬を飼う人が増え、獣医の数をもっと増やし、専門分野をもっと充実させなければならない時に…。
ペットフードに関して。
ヨーロッパのペットフードが安全だというのは迷信です。
フードに添加されている酸化防止剤、防カビ剤、腐敗防止剤などについて、ネットを見ると様々な危険性が指摘されています。
発がん性のあるBHA、ソルビン酸カリウムが使用されているという記事もあります。
会社の実名が出ているのでリンクを張りませんが、ネット検索すると容易に見つかります。
「ドライフードが腐らないのはなぜ?」と疑問に思ったことはありませんか?
欧州に限らず、どの国のドライフードにも、酸化防止剤、腐敗防止剤などが使われているからです。
そう言えば、ガンになる猫が多い。
ペットフードは、飼い主にとって便利なものであって、猫にとって良いものとは言えません。
欧州のペットフード会社は、本社は欧州でも工場は世界各地にあります。
ホルモン剤を食肉に無制限に使って「性早熟症」など人の健康に影響が出ている東アジア諸国にも生産工場があります。
日本には、その工場のものが入ってきます。
安全だなんて言えますか?
日本産の食肉には、ホルモン剤も食品添加物も入っていません。
ライオンさんもトラさんも、生肉食べて元気に頑張っています。
うちのNoraさんも、生肉食べて頑張っています。
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