合併症の糖尿病性腎症にもならない。
アレルギーにも肥満にも心臓病にもなりにくい。
これは確かなことだと思います。
しかし、ペットフードを食べても、糖尿病にならず、肥満にもならず長生きする猫もいます。
死んだモモは、安いドライフードとかつお節を食べていましたが、17歳になるまでとても元気でした。
腎臓病になり、いろんな病気を併発して亡くなりましたが、私が早く気づいていれば20歳まで生きられたと思います。
ドライフードを食べていたモモ(子猫の時)、隅の方にペットフードの袋が…。

ある人の話では、安いペットフードで25歳まで生きた猫がいたそうです。
ペットフードを食べて病気になる猫がいる、いくら食べても平気な猫もいる、どう捉えればよいか?
例えば、お酒を全然飲めない人もいれば、いくら飲んでも平気な人もいます。
同じ様に、少量の炭水化物の代謝が困難な猫もいれば、難なく代謝できる猫もいるという事です。
お酒の場合と違って、その見分けがつきにくい所がやっかいです。
猫には可能な限り炭水化物を与えないというのが基本だと思います。
以下、それぞれのテーマで検討したいと思います。
1.ペットフードの良い所
それは、何と言っても値段が安いことです。
安いドライフードは100gで40円ほど、トリムネ肉は100gで100円程しかも68%が水分です。
同じ水分量に換算すると100gが280円ほど、ドライフードの7倍の値段になります。
現在私は、病気のNoraには生肉を食べさせていますが、保護猫と野良猫達には大抵ドライフード、肉はたまに与える程度です。
関わっている猫が20匹以上いて、全員に肉を食べさせるのは困難です。
今後徐々にドライフードを減らすつもりですが、ある程度の妥協は仕方ないと思っています。
2.ペットフードは猫の寿命が伸びるのに貢献したのか?
猫の寿命が伸びたのは、医療環境がよくなったためです。
昔は猫を病院に連れて行くことさえなかったのに、今では健康診断が当たり前になり、人に近い治療が受けられる様になりました。
ペットフードがそれほど役に立っていないことは、野良猫を見るとよくわかります。
野良猫の中には人からペットフードを貰っているものもいますが、大部分が病気で早死します。
カリシウイルス、ヘルペスウイルス、パルボウイルス、猫エイズ、猫白血病…。
治療を受けられる野良猫は僅かで、感染症で死んだり、後遺症で寿命を縮めます。
ペットフードは、ねこまんまに比べれば良いという程度だと思います。

3.肉は加熱しても栄養価が高いです。
日本では、猫に生魚というのはめずらしくなくても、生肉というのはなかなか馴染みがありません。
一般の人に認知してもらうには、少し時間がかかると思いました。
ここでは、加熱した肉を検討したいと思います。
トリ肉の栄養素
たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸と数種類の遊離のアミノ酸が十分な量含まれています。
また、13種類のビタミンが全て含まれています。
また、有用なミネラルが多く含まれています。
加熱しても、ミネラルは減りません。
たんぱく質も、構成単位のアミノ酸までが分解することは少ないです。
ビタミンは分解する可能性があります。
例えば、加熱した肉ばかり食べているとビタミンC不足になり、壊血病になります。
しかし、エスキモーのように生肉を食べていると壊血病になりません。
猫はビタミンCは自力で作れるので問題ありませんが、それ以外のビタミン類が欠乏する可能性があります。
人が肉を食べる時野菜を一緒に食べる様に、減少するビタミン類を何らかの方法で補えば良いです。
生肉には有益なホルモンが含まれており、加熱すると分解する様ですが、詳しいことは分かっていません。
タウリンとビタミンB群は水溶性なので、肉汁と一緒に出てきます。
肉汁を残さず使うことが大切です。
以上、加熱により肉の栄養素の一部が消失しますが、それでも高たんぱく、炭水化物ゼロで、猫に適した食事です。
消失した栄養素は、別の方法で補うことが出来ます。
4.高級フードについて
最近人間の病院でも、待合室で健康食品のCMを流すみっともない所が増えました。
病気の説明や健康管理の仕方などを流すべきなのに…。
お医者さんが「健康食品買いなさい」と言わないだけ、まだマシですが…。
獣医さんや保護団体さんが推薦している高級フードほど、不可解なものはありません。
ペットフードは安ければ利用価値がありますが、高いんだったら自然食材のほうがずっと良い。
高級フードの中には、安いフードと中身がほとんど変わらないものがあります。
肉、穀物、野菜などの食材が多少違うかもしれませんが、栄養素的に見ると差が見られません。
では何故高いのか?
宣伝費がかかるのです。
獣医さんたちを宣伝マンに使ってあれだけやっていれば、お金がかかるのは当然です。
5.療法食
人間が糖尿病や腎臓病になった時、医師や栄養士からアドバイスは受けても、料理は自分で作りますよね。
病院にレトルトの療法食があって、それを家でレンジでチンして食べるなんてイヤでしょう?
私の父は生前糖尿病で、母が栄養表を見ながら献立考えていました。
猫の療法食の献立は、人よりずっと簡単ですよ。
6.「アニモンダ」
そんな中で、とても興味深いフード会社を見つけました。
「アニモンダ」という、元々お肉屋さんだったドイツの会社です。
欧州の大手フードメーカーの中で、自社工場で生産しているのはそこだけのようです。
日本の代理店 https://www.germanpet.com/f/brand_animonda によれば、
「食肉調達から、製造・加工、生産に係わる過程の殆どを自社で管理」。
「着色料、香料、防腐剤、中国産材料は不使用」。
そして、たんぱく質など栄養素の割合を、猫の餌であるネズミに合わせて作っているそうです。
(商品、フォムファインステン アダルト)。
素晴らしい! まさに「ネコさんグレード」です。

アニモンダの公式サイトによると。
「フォムファインステン グルメ 鶏・牛・ニンジン」 https://animonda.co.jp/cat-food-detail/469/
「原材料 肉類(鶏、牛、七面鳥、豚)、野菜(ニンジン)、ミネラル類、ビタミンD3」
ほとんど自然食材です。
「分析値 蛋白質10 %、脂肪4.5 %、粗繊維0.5%、粗灰分1.8 %、水分82%、タウリン0.55g/kg」
水分を除いた数値を下表に記しました。
アニモンダは腎臓病の療法食も出しています。
「インテグラ プロテクト 腎臓ケア 100g 鶏」https://animonda.co.jp/cat-food-detail/897/
「原材料 肉類(豚、鶏)、野菜(ポテト)、油脂類(キャノーラオイル)、野菜副産物、ミネラル類…」。
「分析値 タンパク質7.8%、脂肪11.5%、粗繊維0.5%、粗灰分1.3%、水分76%、カルシウム0.22%…」
水分を除いた数値を下表に記しました。

フォムファインステンは、高たんぱくで炭水化物ゼロ。
インテグラ プロテクトは、たんぱく質控えめで、炭水化物ゼロ。
他社の腎臓病療法食がたんぱく質を減らす代りに炭水化物を増やすのに対し、アニモンダは脂肪を増やしています。
これは全く正しいやり方です。
脂肪に、遺伝子組み換えのキャノーラ油を使ってるのは気に入らないけど…。
アニモンダの栄養素の内訳は、野生の猫の餌、トリ肉にとても近いです。
「その他」の%が高いのは、食物繊維とミネラルが添加されているためです。
「フォムファインステン」と「インテグラ プロテクト」を足して2で割ると、野生の猫の餌の数値に近くになります。
7.ごはんのレシピ
人も猫も、栄養は食事から摂るのが基本だと思います。
病気になっても、できるだけ手作りのものを食べるのが良いのではないでしょうか?
ごはんのレシピについて書くつもりでしたが、長くなるので次回にします。
次回(多分最終回)は、いろんなレシピをご紹介します。
お楽しみに。

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