お隣の家が火事で全焼した。
慌てずに避難できる時間もあったし、幸いうちは倉庫が一棟燃えただけだった。
私1人で猫を入れたキャリー4個を持っての避難は無理。
3.11の地震の時、うちの猫は白トラだけ。
その時は庭の広いところに出て、猫たちと一緒に揺れる地面の上でお互いに確認しながらじっとしていた。
大丈夫、白とトラは何があっても自分で逃げて、そのあと戻ってくるから。
チーとふぅが家族に加わった。
チーは外に出ても、敷地外に出ても家に戻れる。
だけど私の後追いをするので、緊急時は速やかに捕獲してキャリーに入れる方がいい。
ふぅは完全室内飼いなので外に出てもどうしたら良いかわからないし、床下とかに潜ったり、危険な目にあうことは分かり切っている。
火事だと分かった後、家の中に戻ったらすでに風呂場の室温が暑い、窓ガラスが熱くなっていた。
もしガラスが割れたらふぅが1人で外に出ちゃう!
ふぅを探す。
物がたくさんある部屋、ベランダのように高いキャットウォークにいたら捕まえられない。
幸いにも寝室にいてくれたので、そっと呼んだ。
すでにサイレンの音やガラスの割れる音、何かの破裂音がして、異変を感じていたふぅはなかなか捕まえられない。
病院に行く時でも、キャリーに入れるのに困ることはなかった。
うちの子はキャリーに入れるのは楽々。
そう思っていたけど、落ち着いてゆっくりとふぅを抱っこしようとしたけど緊張感が伝わってたんだろうね。
抱き上げた途端、暴れる。
しっかり掴んだまま、キャリーに入れようとしたら暴れる引っ掻く噛みつく蹴り上げる💦
だがそんなものは、ふぅがチビコの時代にさんざんやられていたからね。
噛みつかれても手を離さないよ、お互いムキになって戦いながらもキャリーにつっこんだ。

やれやれ〜
母屋から出て事務所にキャリーを避難、フリースをかぶせておく。
チーは玄関前で呼んだら足元に来たので抱っこして事務所に入れる。

トラも事務所に入りたがるが、万が一事務所にも被害が広がった時のことを考えるといつものように事務所内フリーは困るかな。
そう思って、トラに「外にいて、畑の方に逃げてて」と言ったけど、どうにも不安そうに怖がっていて、塀の上から動かない。

ダメだ、トラは自分で安全な場所に避難してくれない。
事務所を開けた瞬間にスッと入って行った。
トラもキャリーを持ってきて入れた方が良かったな。
白は庭で大きな声をあげている。
白!逃げてて!
追い払う!
白は塀を越えて行った。
もう一つ想定外のこともあった。
母屋まで延焼するようなら、キャリーを車に積んで逃げる、そう思っていたけど沢山の消防車が来て門の前を塞いでいる。

家の前の道路は消防車で埋め尽くされている。車を出すのは消防車が来てからでは遅いんだ。
幸いにもお隣の家と我が家の間は畑が50メートルほどあったし、母屋の後ろは2メートル半くらいの高いブロック塀があった。
消防車が到着した時はお隣さんの家は2軒分の大きさのうち、半分以上はまだまだ残っていた。
でも北風が強くて火の勢いは止まらない。
あっという間に燃え広がって。
火の粉や燃えかすのようなものもうちの敷地に飛んできていて、家族はホースを引っ張って行って母屋の北側に水をかけ続けていた。
壁や屋根に向けて水を放つ側から蒸発していったという。
が、気がつくと東の塀際の倉庫が燃えている。
気がついて、ホースの水を移動してそちらに放水、消防の放水もきたけどわずか数分で内部に燃え広がってしまった。
隣の屋根だけ倉庫にはバイクがたくさんあって、そちらに延焼しないかとヒヤヒヤした。
屋根だけ倉庫にあったトラちゃんの座布団に火の粉がかかり焦げていた。
危ないところだった。
夕方になって白が玄関前に戻ってきた。
甘えて、すりすりして、ゴロゴロ言いながらご飯を食べた。

白が戻ってきた事で騒動は治ったということだろうかな。
トラも事務所から出て、チーとふぅも母屋に戻った。
塀の向こうの畑へ逃げれば安心、そう思っていた。
普段は広々とした畑が広がっていてトラものんびりと歩く場所。
後から知ったけど風上側の西の塀向こうは畑側からの消火活動もあったし、畑の向こうの道に車が停まって、人が降りてこちらを眺めていたらしい。
野次馬ですね。
普段、車も人もあまり見かけない畑の向こうにそんな光景が見えたら、トラには畑が安全とは思えなかったんだろうね。
南の塀の向こうは建設資材置き場。
普段誰もいない時は白もトラもチョロチョロと土管に入ったり、砂山に登ったりしている。
そこにはたくさんの消防車、救急車や高所作業車も来ていたらしい。
たくさんの人が行き交い、どこも知らない人ばかり。
トラは安全なところに身を隠したい、それがいつもの事務所の中。
トラのテリトリーは本当にうちの敷地とその周り少しだけなんだね。
緊急時、女子チームは全員キャリーイン。
これからはそうする。
移動手段、避難経路も早めに確保。
車一台は規制線の外に出しておく。
とても怖い思いをしたけど、大怪我したり、亡くなった人はいなかった。
これからの防災、緊急時の備えや心構え、また新たに見直そう。
何を備えたら良いか、何を優先して行動したら良いか、どんなことをやっておけば良いのか・・・想定外、をたくさん想定しようと思う。
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