オス猫はどうでしょうか?
オスライオンはメスライオンの連れ子或いは実の子を殺して食べる、オス猫も子猫を襲い殺すことがあるなど、ネガティブな話を時々聞きます。
猫の親子はもっぱら母と子の関係で、父と子の関係は存在しないというのが通説です。
しかし、私はそれを疑問に思っています。
オス猫は子育てに重要な役割を果たしている、それを裏付けるいくつかの実例をご紹介します。
去年の秋、子猫が3匹野良猫保護地に捨てられました。
この黒猫(クロ)は、野良猫保護地の乱暴な雄猫ですが、なぜか子猫はとても良く懐きました。

クロは、子猫の面倒をよく見ました。

黒色の子猫は、クロに一番良く懐きました。
この猫は、クロのおっぱいを吸っていました。
子猫は、離乳し母乳が出なくなってからも、生後3ヶ月位まで母親に甘えておっぱいを吸います。
子猫にとっては、オス猫もメス猫も関係ないと思います。
この猫(チビ)は去年、生後間もない時に捨てられていたのを保護し、ミルクを飲ませて育てました。
哺乳瓶のミルクを飲んでくれないので、手のひらにミルクを乗せ吸わせていました。

離乳してからも3ヶ月ぐらいまで、私の手のひらを吸っていました。
赤ちゃん猫の吸い付く力はとても強いです。
チビには、私の手のひらが母親のおっぱいでした。
写真左の猫は、今年、どこからともなくやってきたオス猫です。
最近捨てられた生後2ヶ月ほどの子猫(写真右)の世話をしています。

見た目は怖いですが、心の優しい猫です。
子猫は人に懐かず顔をほとんど見せませんが、ようやく写真が撮れました。
捨て猫は基本的に里親募集して家猫に戻すのですが、この子猫はこのままのほうが幸せだと思い、オス猫に任せています。
野良猫ではありませんが、去年保護した捨て猫親子の一番大きい息子トラ吉は、義理の弟の面倒をよく見ました。
また、トラ吉が1歳になった頃、保護した子猫の面倒もよく見ました。
(左)保護したばかりの頃 トラ吉生後3週間ほど、義理の弟生後1週間ほど。
(右)トラ吉1歳、子猫生後2ヶ月ぐらい

オス猫の子猫に対する愛情は、メス猫と変わりません。
オス猫にも母性愛があり、オスもメスもその愛は自分の子以外にも注がれます。
母性愛は、女性ホルモンの影響によるものではないようです。
実際、避妊手術をすれば女性ホルモンの分泌は減りますが、母性愛はなくなりません。
オキシトシンという愛情に関わるホルモンがあります。
オスメスに関わりなく分泌されるホルモンで、母性愛と関わりがあるのはこのホルモンのようです。
母乳が出るのを促す働きもあります。
母性愛は、母だけ女性だけのものではなく、人も猫も男女平等に備わっている愛情のようです。
ネコ科のオスに関する通説は、誤りがあると思います。
野良猫の生態から、学ばせられることは多いです。
野良猫は数を減らしながらも、捨て猫や迷い猫が加わって、何とか野良猫社会を維持しています。
自分の子ではない小さな命を迎え入れ、育てて、次の世代につなげています。
*修正:新しい写真が撮れたので、4番目の写真を入れ替えしました。
それに伴い一部文面を補正しました。
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