ガーちゃんのこと…3

2025年1月10日(金) 160 / 0

草の中で目を覚ました。ママ、目が開かないよ～でも、ママはいない。そうだママは先に行ったんだ。ママの後を追わないと。ボクは立ち上がる。お腹がすいた…ママ、お腹すいたよ～でも、ママはいない。辺りの気配を探りながら歩く。草が途切れて、冷たい風が体に沁みた。ママ〜どんなに呼んでもママは来ない、ママの匂いも兄弟たちの匂いもどこにもない…怖い、そう思った途端、ボクは動けなくなった。ママ〜ママ〜必死に鳴く。お前どうした!?一人か?人間の声がした。ボクはママを呼ぶ。怖いよ～ママ〜ガーガー!
お母さん箱持ってすぐ来て!子猫がいる。ほっといたら、こいつ死んじゃう。
そんなこと、ボクは知らない。ボクは叫ぶママ〜そうしてどのくらいたったのか、女の人の声がしてボクは抱き上げられた。
よかったよく１人で頑張ったね。
よくない!離せ!ボクはママの所に行くんだ!
動けなかったはずなのに、ボクは暴れる!泣き叫ぶ!でも、ボクは箱に入れられてしまった。逃げたくても逃げられない。ママ〜助けて!箱が揺れている間中鳴き叫んでいたボクの耳に声が聞こえた
なんの騒ぎ?
変な声!
ヒソヒソ話すメス猫の声に続いて落ち着いたオス猫の声がした
静かにしてろ。よけい腹が減るぞ。安心しろよ、ここにはお前をいじめるやつはいないから。
ボクは黙った。
アラアラ…ブーちゃん達気になるね。でも、お医者さんに行くまでは近づかないでね。
ネコ達の気配がなくなって、ボクはまた泣きたくなった。
それから、お医者さんに行ってたくさん注射をされてお母さんに押さえつけられて目薬をされて、ジャバジャバ洗われて…散々なことがいっぱいあって…いじめるやつはいないって言ってなかったっけ?ウソつき!今度会ったらそう言ってやろう。そう思った頃、ボクはブーちゃん達と再会した。
いつものように目薬をされて、お母さんに撫で回された後、ボクは日の当たる窓辺に寝転んだボクに聞き覚えのある声が話しかけた。
よう!元気になったな!
窓の外には３匹の猫がいた。ボクよりちょっと大きい。そして、３匹とも真っ黒だ。

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