
この写真は、クロちゃん親子…のものではありません。右側はクロちゃん(&ムーちゃん)の母猫(通称「シロクロ」)ですが、左側の黒い猫は、この夏までの約2年半の間、我が家の物置で、シロクロと一緒に生活していた先代のクロちゃんです。シロクロとほぼ同じころに我が家に迷いこんできましたが、同じメス同士なのに全く喧嘩もせず、寒い冬も2匹で寄り添って乗り越えてきました。シロクロが根っからの野良猫だったのに対し、この先代クロちゃんは人に飼われていたことがあるようで、私にもすごくなついてくれました。捕まえるのに苦労がいらなかったので、一足先に昨年避妊手術も済ませました。シロクロはなかなか捕まえることができずにいるうちに今年の夏初めて出産をしてしまい(産まれたのがムーちゃんと現在のクロちゃんですが)、子供を守る本能から、仲の良かった先代クロちゃんに対しても寄せ付けない態度をとるようになり、雨の日でも先代クロちゃんは物置に入れず、ずぶ濡れのまま外で立っているという事態になりました。このままでは先代クロちゃんがかわいそうなので、産まれた子供は里親探しをして手放すことにしました。ところが、里親探しをしている最中の9月7日、自動車事故という思いがけない形で先代クロちゃんとお別れすることになってしまいました。息を引き取る寸前に、私の呼びかけに対して、何かを訴えるような目で数秒の間最後の力をふりしぼってじっと見つめてくれた時の表情は今でも忘れることができません。
当時、里親になりたいという問い合わせがいくつもあったムーちゃんと対照的に、現在のクロちゃんは引き取り手が現れず、保健所行きの可能性もあったのですが、先代クロちゃんの死によって、我が家で飼い続けることができるようになりました。まるで先代クロちゃんが「私が犠牲になるから今回生まれたクロちゃんは守ってあげて」と訴えていたような気がしてなりません。
その後、現在のクロちゃんは、毛並みの長い猫へと見違えるように成長し、同じく毛並みの長かった先代クロちゃんに驚くほど似てきました。雄雌の違いはありますが、まさに先代クロちゃんの生まれ変わりという感じです。今にして思うと、そういう運命のめぐり合わせだったのかなぁと感じさせられます。
(在りし日の先代クロちゃん)

(現在のクロちゃん 12月11日撮影)

最近のコメント