その首輪には、同ショップの迷子札をぶら下げている。
「万が一、外に脱走した時のために」
と、ナイルの脚の骨折が治った時から着けさせた。
初めは、『仔猫用はじめて首輪』というもの。
最初は毛づくろいの邪魔になったのだろう、ひたすら首輪を噛み、猿轡になり、フゴフゴしながら首輪を無理やり外していたナイル。
でも、1か月もすればすっかり慣れ、今は『安全首輪大人用』を身につけている。
ライアくんの方は、最初から骨格がしっかりしていたので、『大人用』を着けさせたところ、見事なくらい何にも気にしない。着けるとき、
「フゴ?」
と不思議そうに見たくらい。
ナイルはオレンジ、ライアは黄緑の同デザイン、色違い首輪をしている。二人とも成長期なので、1週間に最低一回は首輪サイズチェックをして長さを調整している。万が一、のどに食い込んだりしたら酷すぎるからね。
5日前、仕事から帰ってくると、ライアくんが首輪をしていない。
「・・・ライア、何か危ないことをして首つりしそうになったの?」
猫の首輪の必要性について調べている時、どこかのサイトで、
「カーテンフックに首輪が引っ掛かって、危うく首つり死するところだった・・」
という記事を見たことがあった。
「もしかして、ライアも?」
「どっか痛いところはないの? 怪我してない?」
抱き上げて体中眺めまわしても撫でまわしても、別に悪いところはなさそうだ。ライアは私がいきなり変なことするものだから、嫌がって逃げ出したがってる。
「安全首輪といっても、そうそう外れるもんじゃないし・・・」
カーテンフックには引っかかってなさそうだし、どこでどうなったんだろ・・
と炬燵に入ったら、炬燵の中に首輪が落ちていた。
「?? なんで炬燵の中・・」
見つかった首輪をまたライアくんに着けて、この日はそれ以上深く考えずに過ごした。
3日前、仕事から帰ってくると、またライアくんの首輪がない。
「??? ライア、何があったの・・」
また炬燵か・・と思ったら、今度はソファの上に落ちていた。
「炬燵の中もソファの上も、首輪が外れて落ちるような危険物はないよな??」
考えてもさっぱり分からないので、またライアくんに首輪を着け普段の生活に戻った。
さて、昨日のこと。
久しぶりの休みだったので朝から猫たちとのんびりしていたところ、ライアとナイルがお互いを毛づくろいし始めた。
「平和だなあ。ナイルがストレスで食べなくなった時は、こういう時が来るとは思わなかったよ。幸せを感じるな~」
と頬緩ませて見ていると、その内ナイルがライアの迷子札を引っ張り始めた。
「ゴリ、ゴリッ」
ライアはのど元を仰け反らせてじっとしている。
「ゴリ、ゴリッ、ゴリッ! ゴガン!!」
迷子札ごと首輪が外れた。
・・・・・ナイル、今一番興味あるのはライアの迷子札なのか?
迷子札をよくよく見ると、いつの間にか傷だらけの涎だらけになっている。
本当に、ナイルはこちらの想像力を超えたことをいつもやってくれるね・・ まあ、危ないことじゃなかったから安心したけど。・・ナイル、迷子札をそんなに齧ってると、歯を痛めるんじゃないか、私は心配だよ。
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