折角桜が綺麗に花を咲かせ始めたのに、前夜から雨がシトシトと降りしきり、路肩いっぱいに花びらを散らせていました。
この憂鬱で少し肌寒い日の昼前に、６年間我が家で一緒に暮らしたネコ君が亡くなりました。
このネコ君がうちにはじめてきたのは２００９年の正月、１月４日でした。その１０日ほど前、２００８年のクリスマスの日、当時妻が勤めていた会社の同僚が近くの自動販売機で飲み物を買おうした時、ゲソゲソに痩せこけたネコがすり寄ってきました。人懐っこいネコで会社まで付いてきてしまい、餌を与えたらそのまま居ついてしまいました。飼い主からはぐれてしまったのか、或いは折しもリーマンショックの混乱のさなか、私たちの住む地域（熊本）は大きな工場が多く派遣社員の方たちがたくさん住んでおられたのですが、そうした方がリストラされペットを手放してしまったのか。とにかく元々のノラではない人懐っこいネコでした。当時妻も会社の同僚たちもインターネットで迷子ネコの情報を共有する事が出来る（おそらく当時もここの様なサイトが有ったのでしょうが）などという知識を持っていなかったので、そのままペットとして会社で飼われるようになりました。
年末年始の休業中は妻の同僚たちがそのネコの面倒を見ていたのですが４日はみな都合がつかず、妻から「ネコを家で預かっていい？」と聞かれました。私も妻も実家ではずっと犬を飼っていてネコは扱った事が無かったのですが、大人しい猫だと言うので預かる事を了承しました。
４日の夕、妻の同僚がそのネコ君をうちに連れてきました。茶白のオス猫で、餌をもらって大分元気にはなったようですがまだ細身で、当時住んでいたマンションの玄関先で同僚の腕に大人しく抱かれ私たちを見ていました。
家に上げてあげると初めての場所で不安なのか、あちこちをちょろちょろと歩き回り落ち着かない様子でしたが、抱き上げて優しくなででやるとグルグル喉を鳴らして落ち着いたようでした。ネコは気持ちいいとグルグルと喉を鳴らすというのは知識として知っていたので
「こうして撫でてやると気持ちいいんだ。犬の扱いともそんなに変わらないのかもね。」
私も妻も少し安心しました。
<家に来た初日のネコ君>
<家に来て３日目のネコ君>
<家に来て一週間のネコ君。もう妻に甘えてます^^>
細身な事もあり軽くて、でもとても暖かくて、実家の犬よりずっと小さくて腕の中にすっぽりおさまっている。そして大人しく気持ちよさそうにグルグル鳴いて目を細めている。妻も私も飼う事はしないと事前に確認していましたが、でもこの日、この子はこのままうちの家族になるんだな、と感じていました。その直感（？）通り、その日以来ずっと、このネコ君は我が家で暮らす事となりました。
ただ、あくまで彼は会社のペット、事務所のアイドル君なので、毎日朝には妻と一緒に車で会社へ出勤していました。で、就業中は事務所で遊ばせ、夕になると妻と一緒に家に帰ってくる、というサラリーマンの様な（？！）生活を送っていました。
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