ネコ君は朝には相変わらず妻と一緒に会社に出勤していました。ご近所では猫と一緒にお仕事に行く奥さんと、ちょっと有名にもなっていたようです。会社では書類入れがネコ君の定位置になっていて、そこでお昼寝をしたり、お昼寝に飽きては妻の膝の上に載ってパソコン入力の邪魔をしていました。
＜定位置の書類入れ＞
本当に大人しく、人懐っこくて甘えたなネコでした。
私や妻がソファーに寝そべっていると足元に寄ってきて、首を伸ばし、まん丸な眼で覗き込んできます。そのままソファーによじ登りお腹の上に座ってきては「撫でて」と命令調な視線を送ってくるので、ご希望通り撫でてやると目を細めグルグルと喉を鳴らし何時まででもそうしています。用事が出来てソファーを離れても、戻って寝そべるとまた同じようにお腹の上に乗ってきます。いつしか、私も妻も、携帯やデジカメのメモリの中はネコ君の写真であふれるようになってしまいました。
＜家での定位置、妻のお腹（というか胸）の上＞
そんなある日、ネコ君が近くの野良ネコと喧嘩したらしく、大けがをして帰ってきました。病院に連れてゆき治療してもらったついでに、エイズと白血病の検査を勧められたのでお願いしました。
で、その結果はどちらも陽性・・・
「この子は長くは生きられないかもしれません。」
先生にはそう告げられました。
野良だった時にウィルスに罹患してしまったのでしょうか。もはやネコ君はかけがえのない存在になっていたので、目の前が真っ暗になりました。
「歯を見る限り３歳くらいだと思います。まだ若いのですぐに悪くなる訳ではありませんよ。」
先生にはそう言って頂きましたが、その日は抱っこしていつもより一杯撫でてやりました。
エイズ・白血病を宣告されたのが、ネコ君がうちに来た２００９年の事だったと思います。でもその後もネコ君は元気に過ごしてくれました。ただやはり病気の影響か、いくら食べさせてもあまり太らない子でした。家の近所で野良や放し飼いのネコを良く見かけましたが、そのどれよりもうちのネコ君は小さいようでした。また定期的に痩せて具合が悪くなる事がありましが、その都度病院に連れてゆき、抗生剤をもらって投与を続けるとすぐに元気になってくれました。妻も私も、薬の飲ませ方がとても上手になっていました。
その後、２０１０年に娘が生まれ、２０１２年にはマイホームを建てて引っ越しと、私たち家族の環境は大きく変わりました。娘の出産に先立ち妻は前の会社を退職したのですが、退職祝いとして（？）ネコ君を正式にもらいうけました。そんな風に、我が家でもそれなりに色々と有ったのですが、ネコ君は我関せず、相変わらず甘えてお腹の上でゴロゴロ喉を鳴らす毎日を続けていました。
＜娘とも仲良し＾＾＞
そんな中、今月になってまたネコ君が痩せ始めました。
ぺったん したユーザ
ぺったん
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