でもあと少しでうちのネコ君の事を書くのも終りです。ちょっとさびしい気もしますが・・・あと少し、この場所をお借りする事をご容赦ください。
＜うちに来たばかりの頃の写真。かわいかったね～＞
＜クローゼットの奥でよく隠れて寝ていたね。どこ行った！と、ママと大騒ぎして探し回ったよ。＞
＜病院に行く前にママが撮った写真。そして、これが生前の最後の写真になりました。これまでの写真を整理してる時にこれを見たら手が震えたよ。最後はしんどかったね・・・＞
検査結果が出て、私たちは診察室に呼ばれ椅子をすすめられました。チンちゃんがまた興奮するとかわいそうなので、ゲージを診察台の足元に置いて私たちは先生の話を伺いました。
”残念ですがもう手遅れです。出来る事はありません。”
これからそう言われるのだろうと思い、私は心の準備をしました・・・したつもりでしたが、でも助からない事が今ハッキリするのかと思うと心がまた小波立ちます。
「ネコちゃんの事ですが・・・」
先生は冷静な声で話を始められました。
「腎臓はまだ大丈夫、一番の問題は貧血です。白血病の発症で骨髄が侵され、造血できない状態なのだと思います。まずは輸血をしましょう。そうすればまたご飯を食べられる状態まで戻せるかもしれません。」
先生のその言葉を聞いても、どういう事なのかすぐに理解できませんでした。
「助かる可能性が・・・まだ有るという事ですか？」
私は恐る恐る、先生に確認するように尋ねました。先生は「まだ出来る事はある」とはっきり、力強く仰ってくださいました。
信じられませんでした。目の前が明るくなりました。待合室で待つ間、他のネコちゃん、犬君達がトリミングを終え、ご主人様に抱かれ帰ってゆきますが、元気な彼らを抱いて帰る飼い主さん達をとてもうらやましく見ていました。でも僕たちも、元気なチンちゃんをまた抱けるかもしれない。今すぐじゃないけれど、またチンちゃんをお腹の上で甘えさせられるかもしれない。先生には今後の治療の方針と、もちろん元気になる保証は１００％ではない事、輸血にも命の危険が伴う事、でもまだ出来る事はあるという事を説明して頂き、とりあえず今日はこのまま入院して輸血し、翌日の朝チンちゃんを迎えに来る事としました。
「ではまた明日、朝９時にネコちゃんを迎えに来てあげてください。」
そう言って椅子から立ち上がる先生に、私たちは「よろしくお願いします」と深々とお礼をしました。希望を頂き、私も妻の顔にも笑顔がほころんでいたと思います。
「じゃあこれから頑張ろう！」
先生はそういって足元のゲージを診察台に優しく載せると、中のチンちゃんに声をかけてくださいました。
その時、一瞬で先生の顔がこわばりました。
「あれ？この子、息をしてない！」
ぺったん したユーザ
ぺったん
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