
何年か前、近所を散歩していた時に会った猫。
キレイなはちわれで、そんなに大きくなかったので子猫だったのかもしれません。
とても人懐こく、足元に寄ってくるので写真がうまく撮れなかった。
静かに、そっと寄り添ってくるような感じだったのをよく覚えてます。
目はよく見えなかったけど、多分目やにで開きにくい感じになってたんじゃないかな。
首輪はしていなかったけれど当時わたしは実家暮らしで
母は猫が苦手だったため連れて帰ることさえ出来なかった。
ひとしきり側にいて、わたしが見えなくなるまで道路の真ん中に座ったままで
見送ってくれました。
とても後ろ髪引かれる思いで、なぜか涙が出そうになりながら。
次の日、また同じ場所に行きました。
またあの猫に会えるかと思って。
なんとなくあそこへ行けば会えるんじゃないかと。
しばらく待っていましたが、猫は現れませんでした。
その後何日かそこへ通いましたが、やはり猫には会えませんでした。
何があったというわけではないけど、とても静かなあの猫の佇まいに
心をひかれていたのに、なぜ連れて帰らなかったのかと
今でも少し後悔しています。
かわいそうとかそういうことでもなく、なんだろう。
ガリガリだったとか、ボロボロだったとかでもなかった。
単純に強く惹かれるものがあったのです。
きっと近所の人からご飯をもらってるのか、放し飼いだったのかな。
元々猫は人と言葉を交わすことはないけれど
静かに、ただ静かにそっと側にいる。
それだけで何か通じるようなものを感じたのです。
書いててバカみたいだと思いますけど(笑)
あの猫に会ったのはその時一度きりですが
きっとこれからもずっとわたしの心にそっと座っているのだと思います。


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