高知県は南国市を流れる一級河川、物部川(ものべがわ)。
その河原に捨てられた、ニャンコ達へ長年に渡り「餌やり」をしている老夫婦がいるのです。
南国市久礼田にお住いのOさん夫婦です。
年齢は70歳ほどかと・・・。
ですから、「老夫婦」と呼ぶには、ちょい失礼かも知れませんね。(笑)
その奥様より、号泣電話があったのです。
「ミケが、ミケが死んだ! 死んじゅう!」
電話の向こうから聞こえて来る声は、聞き取れない程・・・。
でありました。

私も、このミケ猫には老夫婦ほどではないけれど、かなりの愛情をかけていたので、ショックです。
しかし・・・。
私など、この老夫婦の落胆には到底およばない。
と、そのように思います。
「この場所がよく見える三宝山(さんぽうざん)にミケを埋めてやりたい!」
「先生、埋めて来てくれんろうか?」
と、老夫婦は私に懇願する・・・。
おいおい、三宝山かよ?

まいったな、これは・・・・。
と、そう思ったのですが、しかし、その老夫婦の頼みを断ることもできず、結局、ミケの死骸を新聞に包みダンボール箱に、それと、ツルハシとスコップを車に入れて、イザ三宝山へ。
「できたら三宝山の頂上へ、河原が良く見えるき!」
そう、老夫婦はおっしゃる。
しかし、山頂は岩盤、どうにも、そればかりは無理!
ぜったいに無理。

結局、山頂より少しばかり下の、サクラの木の下に埋めるより他なし。
しかし、そこも木の根っこが邪魔になって、悪戦苦闘・・・。
いや、死闘の末、なんとか深さ80センチほどの穴を開け、ミケの亡骸を無事埋める。
その上に河原で拾ってきた、30センチ程の石を置きました。
それはそうと・・・。
私の、左の手の掌には血豆が・・・。
「ミケよ、こんど生まれて来る時は、野良ではなく、飼い猫として生まれておいで。」
それと・・・。
「この三宝山より、一望できる、琴平山、公園、漁港、そして、ミケが昨日まで暮らしていた河原・・・。
そこで命をつないでいる「野良ニャン達」をずっと見守っておくれ。」
そのように祈って、下山しました。
なんとも、悲しいけど、しかたありませんね。
こればかりは・・・・。
※河原のミケ猫、最初で最後の映像。
もし良かったら、ご覧下さい!
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