私は、もう一匹のシマミケちゃんをじっと見つめました。
そっともう一匹のシマミケちゃんを抱き上げると、私の膝の上に乗せてみました。
するとその子は慌てて私の膝の上から飛び降り、お嬢さんの勉強机の椅子の影に隠れて、こちらの様子をうかがい始めました。
つくし「この子は抱っこが嫌いですか?ちょっと臆病なようですし…。」
ご主人「…そんなことはないと思いますよ。」
お嬢さん「みんな抱っこ好きだよね。」
うーん……。じゃあ、突然知らない人が来たので緊張しているのかなあ…。
「どう思う?」私は母にたずねました。
「あんたが気に入った子に決めなさい。」母が答えました。
…うーん………。シマミケちゃんか、ミケちゃんか…。やっぱり私はトラジマ模様のある方が好みだなあ…。
私は、椅子の影に隠れているシマミケちゃんをもう一度抱き上げました。
「じゃあ、この子でお願いします。」
もう、お気づきの方も多いと思います。この子がちーちゃんです。
「わかりました。それでですね…」
ご主人が話を切り出しました。
「この子たちは5月1日生まれなのですが、社会性を身につけるために、2ヶ月は母親と兄弟猫たちと一緒に過ごさせたほうが良いらしいんです。ですから、差し上げるのは7月以降が良いと思うのですが、いつになさいますか?」
私と母は、ご主人が手渡してくれた卓上カレンダーを覗き込みました。ちなみにその日は6月中旬頃でした。
実は、7月は私の誕生月です。そのせいか、7月のカレンダーを見ると、つい自分の誕生日に目がいってしまいます。その時も、つい自分の誕生日である7月3日に目がいってしまいました。偶然にも7月3日は日曜日でした。会社も休みで、猫をいただきに伺うにはちょうど良い時期です。
「7月3日にしようかなあ。ちょうど私の誕生日だし。」私が言うと母も、
「うん、ちょうどいいんじゃない?」とうなずきました。
「7月3日ですね。わかりました。ではその日にお待ちしています。」
私たちからカレンダーを受け取りながらご主人もうなずきました。
「じゃあ、また7月3日にね。」
最後にシマミケちゃんの頭をなでて、私と母は帰路についたのでした。
と、いうわけで、これが私とちーちゃんの出会いです。
感動的なものでもなんでもない、フツーの出会いでした。
ちなみにちーちゃんは、抱っこが嫌いです…(T-T)

ちーちゃん(生後2ヶ月)と母親猫ちゃんのツーショットです。
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