なんでかというと、つい先日、娘のボメロスを亡くしたから。
ボメロスとくっちーとは1歳しか違わず、物心ついたときからほとんどずっと一緒にいた。
晩年、ボメロスは目が見えず、光を感じることしかできなかったけど、まるで普通に見えているような暮らしぶりだった。
そんなボメロスがある日突然調子が悪くなった。
さわりごこちが固くて冷たいし、瞳孔がいつもよりも開いてて、顔つきも変だった。
脱水の時によく見られる、目の落ちくぼみも見られたので、急いで病院へ。
4日間の入院生活で、くっちーを見舞いにつれて行ったことがあった。
下の写真は、入院中のボメのケージに、くっちーが入ったときの様子。
ボメロスは目も見えないのに、においでくっちーの気配を感じとり、急に赤ちゃんみたいにくっちーのお腹の下に潜り込んだ。
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まるで乳を探しているように、激しく頭をこすりつけるように。
ボメロスは、その後回復した。
普段と変わらないくらいにまで回復したけど、また2週間もたたないうちに具合が悪くなった。
医師と相談して、いろんな治療を試みたが、回復の兆しはなく、最後は自然に任せることにした。
そして、今夜逝くだろうなってわかったある日、くっちーはボメロスにつきっきりだった。
耳掃除をしてやったり、顔をなめてやったり、そしてずっと添い寝をしていた。
下の写真は、もう虫の息になったボメによりそうくっちーの姿。
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この世でたくさんの人間が戦争をしたり、殺し合ったりしている。
領土で揉め、宗教で争い、そんな世界の片隅で、今こうして我が子のきえゆく命に寄りそう母猫がいる。
私はそんな姿を見て、とても美しいなと思った。
世界なんて関係ない。争いなんてどうでもいい。
今まさに消えて行こうとする命をいつくしむ母の愛情の深さに、なんだかとても胸を打たれた。
ボメロスが逝った後も、くっちーはずっと添い寝をしていた。
ボメロスの目が、すこし開いたので、私が「くっちー、ボメの目が開いてるよ。とじてやり」といったら、小さく甘噛みして、閉じてやっていた。
今まで猫を飼っていて思うのは、歳をとった猫は人間の言葉をかなり理解するということ。
一度など「しんどい」といまわの際に言った猫もいた。本当に。
ボメロスが逝ってから、くっちーは甘えん坊になった。
そして時々、ボメを探して鳴くようになった。
ひとりぼっちでひざ掛けにくるまって寝ているのをみると、とてもせつなくなる。
みかねた私たち家族は獣医師に相談して、ちいさな赤ちゃん猫を迎えることに決めた。
くっちーはもうおばあさんなので、ちいさな赤ちゃん猫からじゃないと、慣れるまですごくストレスがかかるからと。
ボメに似た赤ちゃん猫を探し、そしてたどりついた、このサイト。
くっちー、またにぎやかな日常がもどってくるかな。
ポカポカあたたかい日は一緒にひだまりで眠り、寒い日は身を寄せ合ってお互い鼻先をうずめあう家族が、またできるかな。
ボメに似たかわいい子を、またお世話できるかな。
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