第一章　雨　続（翡翠の過去Ⅰ）

2007年1月30日(火) 558 / 3

女の子：『お母さん！あそこににゃんこ居るの！！』
お母さん：『捨てられてるのね。黴菌持ってるかもしれないんだから触っちゃだめよ。お家帰ったらちゃんと手を洗いなさいね。』
女の子：『でも、お腹空いて鳴いてたよ？明日雨が上がったらご飯あげに来てもいい？』
お母さん：『触っちゃだめって言ってるでしょ？病気になっちゃうかもしれないのよ。だからだめよ。』

とある雨の日だった。女の子はしぶしぶお母さんにつれられ家へ帰って行った。

翡翠：『にゃぁーにゃあー（寒いよ。お腹すいたよ。お母さんのおっぱいが飲みたいよ。）

まだ乳離れも終えてない頃翡翠は気がついたら公園に居た。
自分でもなぜここに居るのか、‘捨てられた’ということすら理解できないまま。

次の日は昨日とは打って変わって雲がほとんどないような晴天だった。

女の子：『にゃんちゃん生きてる？』

昨日と同じところにうずくまっている翡翠をなでながら女の子が話しかけた。

翡翠：『にゃぁ・・・』

翡翠は昨日の雨でただでさえ少ない体力をほとんど失っていた。

女の子：『ご飯持ってきてあげたよ。』

そういうと女の子は翡翠にハムの切れ端をあげた。
翡翠はありがとうと心の中で礼を言いハムを食べるとそのまま眠ってしまった。
それからしばらく幸せな日が続いた。
女の子が持ってきてくれるご飯で体力を回復させ元気を取り戻した翡翠は公園で女の子とずっと遊んでいた。
ところが、ある日ぱたりと女の子が来なくなった・・・。

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