厳しい寒さも徐々に暖かくなり、花々が次々に咲き、新緑がまぶしい季節になる春。
人間だって、猫だって暖かくなってくるとそれだけでワクワクしますよね。外をお散歩するのが楽しくなりますし、日も長くなり、遊びやすい季節になりますが、その一方で、注意してあげなければならないことも増えてきます。せっかくの春を思い切り満喫できるよう、注意してあげたい猫のお世話についてお伝えします。
春は恋の季節
春は猫の様子がいつもとちょっと違う?それもそのはず、春は猫にとって恋の季節!(発情期)。日照時間の長さが発情を促す、といわれており春はまさに日が短い冬から一気に日が長くなります。
発情したメスの猫のフェロモンに誘われて、オスの猫も大きな声を出したり、スプレーと呼ばれる霧状のおしっこでマーキングをしたりするようになります。
そんな季節的な要因で春は避妊・去勢手術がとても多くなります。避妊・去勢手術と聞くとちょっと躊躇してしまうかもしれませんが、猫に子供を産む予定がなければ、なるべく早くに避妊・去勢手術を行うことをおすすめします。
なぜなら、避妊・去勢手術をすることによって卵巣や子宮・精巣などの生殖器の病気を予防することができると言われています。また、発情期にはオス猫同士のケンカがとっても増えます。動物の本能である生存競争ですから仕方ないのですが、ケンカによって命を落としてしまう可能性もあります。
春は抜け毛の季節
冬から春に移り変わるこの時期、寒さから身を守ってきた毛の生え変わりの時期になります。猫は、綺麗好きですから、自分の身体を清潔にしようと、せっせとなめて毛づくろいをします。しかしこの時、ごっそりと抜ける冬毛が、のどにつまってしまったり、消化器官で毛玉になり消化管運動を妨げたりする毛球症を発症しやすくなります。
長毛の猫は、ブラッシングを怠ると毛がからまり毛玉をつくってしまいます。毛玉はダニやノミの恰好の温床ともなり、皮膚病、外部寄生虫発生の原因となります。そうならないようにこまめにブラッシングをしてあげましょう。換毛期はブラッシングにいつも以上に気を遣う必要があります。お風呂が嫌いな猫も多いですが、定期的なシャンプーで皮膚、被毛を清潔に保つよう心がけてあげてください。
ノミやダニの外部寄生虫にも気を付けましょう
季節柄、温かくなってくると虫を含めた生き物が活発に動き回るようになります。特に気温が13度以上になるとノミは活発に繁殖を繰り返すようになります。ダニの種類の一つであるマダニは、もっと低い温度から活動はしていますが気温が高くなると爆発的に繁殖してしまいます。
一匹の寄生でひどい皮膚炎になってしまうのがノミ・ダニの怖いところ。ブラッシングと併せて駆除剤を使ってあげることによってノミ・ダニが本格的に発生するのを予防することが大切です。予防は、動物病院で処方してもらう医薬品としての駆除剤が一番確実で安心です。
花粉症も発症します
花粉症で辛い思いをしている方も多いと思いますが、花粉症は、人間だけのものではありません。猫もかかります。猫も人間と同じように目ヤニやくしゃみが増えたり、皮ふがかゆくなったりといった症状が出ます。猫の花粉症に気が付かずそのままにしておくと、結膜炎や、鼻炎、皮膚炎などに悪化してしまうこともあります。あなたの猫が、目やにをたくさん出していたり、くしゃみを何度もしていたり、身体じゅうをかゆそうにしているなら、早めに一度、動物病院で獣医さんに相談してみましょう。
体重が増えてませんか?
通常、猫たちは冬になると寒さをしのぐために、体脂肪をたくわえ1~2割ほど太ります。ところが、春になってくると体重が元に戻っていないにもかかわらず、楽しくなって活発に動き出すため足に負担がかかってしまい、関節などを痛めてしまうことがあります。