里親希望のご家族が面会にやってきました。
その頃、白は真菌性の皮膚炎で治療中でした。
毎日、薬を塗っていたもののハゲはどんどん広がっていました。
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(ピンぼけですが白がかなり剥げている写真)
先生の話によると、「どこにでもある菌だしね」ということなので命にかかわるほどじゃないし、それほど心配はしていませんでした。
白とトラ、二匹で元気よくはしゃぎまわって、抱っこしてもらったり、ジャラシで遊んでもらったり。
白ったら、女の子の膝の上でスヤ~とか寝てしまうし。
可愛さアピール全開でした。
「取りあえず準備などもあるし、後日また連絡します」ということでお帰りになりました。
それから1か月以上たっても連絡がありません。
どうしたのかと思い、大学生1を通じて連絡を取ってもらったところ、「白は引き取らないって。」と言われました。
面会に来たときは、あんなに楽しそうだったのに、どうして?
「お母さんのせいだから」
どういう意味なのか、全く分かりませんでいた。
「白がどうこうというよりも、お母さんの態度が気に入らなかったらしいよ」
その時の日記です。
その時も反省しているようなことを書いてはいました。
でもネコジで色々なことを知ってきた今では、この日記もちょっと白々しいと思います。
少なくとも、ほかの猫に感染する皮膚炎です。人間にもうつることもあります。ニャアとトラが何ともないからと、甘く見ていました。
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(一緒にいても白だけがハゲている)
きっとあのご家族は家につくと、手指を消毒したり、入浴したり、服を着替えてから、先住猫さんを抱っこしたことでしょう。そのくらい、先住猫の安全を考えたはずです。
その時はただ白を誰かにもらってほしい、という自分のことしか考えていませんでした。
うつる病気の猫を先住猫と一緒にすることができないなんて、全く考えていませんでした。
健康な猫と同じ家で飼う大変さなんて、少しも想像することすらしなかったのです。
それに今ならわかります。
ケージやトイレ、おもちゃ、水飲みなど猫グッズの全くない部屋。
きっと違和感を覚えたことでしょう。
今まさに外に行って、ノラの子猫を捕まえてきた、そんな印象を与えたことでしょう。
あの時どうすればよかったのでしょうか。
今だったら・・・
「せっかくお希望してくださったのに、病気にしてしまって申し訳ございません。
先住猫さんのためにも今のままお渡しすることはできないと思います。
責任を持って治療します。すっかり良くなって元気になったときに、まだ猫を探しているようでしたらもう一度、考えてもらえませんか。」
こんな風に言えたでしょうか。
少なくとも白が気に入らないのではなく、私のいい加減な態度が悪かったのだから、もっと真剣な対応をして信頼関係が築けていたら、白の運命は違っていたはずです。
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自分のせいで、白の行き先を閉ざしてしまってすっかり気落ちしてしまい、里親様探しをする気力がなくなってしまいました。
この時もう3か月。
これだけ一緒にいると情がわくというものです。
旦那さんは別れがつらくなるからと、極力子猫を見ないようにしていました。
その頃、義父の態度に少し変化が表れてきました。
孫「おじいちゃん、倉庫に子猫がいるよ。可愛いから見に行こうよ。」(どうしてバラすかなー!!)
「じいちゃんが猫は好きじゃないからいいよ。」言いながらも特に怒りもしないのです。
ずっとせまい倉庫に閉じ込めておくのも可哀想なので、義父のいない隙に少し庭で遊ばせたりしました。
だんだんと庭に出る時間が長くなるとニャアに任せるようになりました。
ある日、義父たちが庭にいるとき、ニャアは白とトラを連れて挨拶にきました。
「おっ、猫が子を連れてるぞ」
蹴とばされたことが何度もあるのに、ニャアはすり~っと義父の足にすり寄ります。
ニャアのしつこいくらいのアピールには本当に驚くばかりです。
「白いのは眼の色が変わってるな」
青い目をした猫はあまり見たことがなかったのでしょう。
珍しい舶来品のように思えたのでしょうか。
それから一年後、白は義父から服を買ってもらうまでになりました。
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※トラは買ってもらっていません(笑)
「白、おじいちゃん家に一緒に来るか」そんな冗談も出るようになりました。
ニャアのネズミ退治力となにごとにもめげないアピールと白の天真爛漫な性格の成果でしょうか。
白は自分の居場所を自分で作ったのだと思います。
トラは・・・
どういうわけだか、生まれてすぐに、「ニャアに似てるトラは残そうよ~」という子供たちの意見が強すぎて・・・里親募集は考えていませんでした。
1匹くらいなら義父に怒られても孫たちが何とかする、とでも思っていたのかもしれないですね。
なんと無責任な。
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大学生1の待ち受け画面の画像です(笑)
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