【はっさく君事件】⑤私たちにできる事

2016年9月29日(木) 2016-09-29T09:10:26+09:00

• はっさく君事件

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続きの日記です。一応これで完結します。
前から読んでいただけるとありがたいです。
【はっさく君事件】①

【はっさく君事件】②

【はっさく君事件】③

【はっさく君事件】④

私はボラ活動をしていないので、偉そうなことは何一つ言えませんが…
最後にはっさく君事件に関わって、思ったことをまとめます。
今日も長くてクドいですよ～準備はいいですか？

私たちは、法律とか詳しく知りません。
弁護士を雇うお金も力もありません。
結果も思うような結論にはなりませんでした。
ですが、できる限りの事はしたと思います。
何もわからないのが悔しくて、何かできないかととりあえず福岡にも行きました。
メンバーや現地で協力してくださったボラさんと直接話もしました。
しかし結局幸村君のお墓に手を合わせる事しかできませんでした。
今回は、言い方が悪いかもしれませんが、相手が「生活保護で精神障碍者」という弱者であったことが一番の壁でした。

Aは、本当に殺すつもりはなかったのかもしれません。
病気によって、2重人格的なものがあったのかもしれません。
いやいや、もしかしたら最初からヤル気だったのかもしれません。
しかし、誰もそれを証明できないのです。
今ハッキリとわかっているのは、はっさく君も幸村君ももうここにいない、ということだけ。
裁判に持っていっても、私たちが望んでいるような答えは出ないのは明白でした。
なぜなら、契約書を交わしていなかったからです。
残念ながら、猫は法律上だとモノになります。
譲渡すれば、そのもらった人のモノになります。
一度手放したモノは、その人がどうしようが干渉できません。

それ以来、もう二度とこんなことが起きてほしくない、と思ってネコジを見ています。
正直、明らかに犯罪と言える虐待や詐欺は、めったにないと思います。（ゼロではないです。実際に川崎や宮崎などで実刑につながった事件が起きてます。）
飼い方には温度差があります。私たち猫好きが考えるような「当たり前の飼い方」ができなくて、結果的に私たちから見ると「虐待」にあたる飼い方だったり、「詐欺」まがいだったりという里親さんもいるんです。
例えば、外飼いしない約束だったのに、かわいそうだからという理由で外に出したり、避妊手術する約束だったのにしなかったり…
そういうタイプの「詐欺」「虐待」というか、最初と約束が違う、というパターンが多いと思いますが、本人は「正しい飼い方、育て方」だと思っているから、逆に性質が悪いのかもしれません。
今回のAの起こした事件も、本人は「ちゃんと育てられる」そう思って里親に応募したのだと思います。

保護主さんは、本当にこの人を里親にしていいのか、悩むと思います。
悩んで悩んで、やっとこの人に決めよう！となると思います。
ですが、どんなに悩んで精査しても、失敗するときはします。だって、インターネットですもの。
顔が見えないお取引ですもの。

ネコジでも、超ベテランボラさんが「この人には渡しちゃいけなかった！」と取り返しに走った例を見たことがあります。
じゃあどうすればいいか。
簡単です。最低でもたった2つをやっておけばいいと思います。

①約束と違う場合は返してもらう旨が書いてある契約書を交わす事。
②必ず自宅を把握して保護主が玄関先までお届けに行くこと。

私は里親募集の経験はありますがうちの子にしてしまったため、譲渡の経験がありません。
が、ネコジでみなさんの話を聞いたり色々なトラブルの例を見て、どんなに条件が緩くとも、最低これだけは守れば、猫を法的に守れる、そう思いました。
この2つで必ず命が守れるわけではありません。
でも、被害を最小限に防ぐ事はできると思うんです。
はっさく君事件は、譲渡契約書を交わしていなかったものの、Cさんが自宅までお届けしていたおかげでここまで事実をはっきりさせることができました。

わずらわしいのが嫌だ、という人も、どうかどうか、この2つだけは実行していただきたいと思います。
逆に、この2つを異常に嫌がる応募者には、注意したほうがよいと思います。
本当はもっと細かいお約束をするべきと思いますが、最低でもこの2つがあれば、もし「この人は渡すべき人ではなかった！」と気が付いても早い段階で返してもらうことができますし、早い段階で返してもらえばまた新しい里親さんを探せばよいと思うんです。
もちろん、命があるのが前提ですが…

最後に。
これは川崎の猫虐待事件の関係者のブログです。
http://ameblo.jp/calendulacat/entry-11167035013.html
中には人生をかけて猫ボラしてきた人が被害に遭っていると書かれています。
そうなんです、どんなに注意していても、詐欺じゃないにしても、飼育者として適任の人にちゃんとお渡しできるとは限りません。

当時、譲渡したCさんを責める人もいました。
Aの家で幸村君を見つけたときに、なぜ無理やりにでも取り戻さなかったのかと責めた人もいます。
譲渡した人の気持ちになったことがありますか？
あの時小さな小さな幸村君を抱っこして必死に取り返そうとし、それでもできなかった個人ボラさんの気持ちがわかりますか？
譲渡した人は、この子が自分の家にいるよりも、もっと幸せな人生ならぬ猫生を願って里親さんに託したはずです。
誰も、いなくなってくれさえすればよいと思って里親募集に出した人なんていないんです。
はっさく君が殺された時の話を、踏んだ本人を目の前にしてまともに聞ける保護主がどこにいますか。
Cさんがしたことは結果的に間違っていたのかもしれませんが、今私たちが責めるべき事はそこではありません。

私は事件現場よりずっと遠隔地に住んでいます。
一番大事な時には現場に行けていません。
行ってないヤツが何をえらそうにと言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、第三者的な立場にいる私だから書けたのだと思います。
それはもう、ふわふわの天使を手にした人だけがわかる痛みなのです。
現場にいなかった私が計り知れる悲しみではないはずです。

後悔の気持ちでいっぱいで、心に傷を負ったはっさく君と幸村君の保護主さん、
幸村君を助けてあげられなかったメンバーのみんなが、救えるはずの命を救えなかったと涙をこらえながらこの日記を読み胸を痛めていることを、忘れないでいただきたいのです。
今でもネコジルシのメンバーです。

そして、譲渡条件が厳しすぎる！とお怒りになる里親候補者様は、「なぜ厳しい条件があるのか」今一度理由を考えていただきたいです。
もし、それでも保護主の気持ちが1mmも理解できないのでしたら、残念ですがネットでの里親応募はあきらめられたほうがよいと思います。
ボランティアさんが、独身や一人暮らしなど条件の悪い人は譲渡会がおすすめです、という理由は、実際に会ってみて里親さんとして適任かどうかをみてもらえるからだと思います。
ネットで顔が見えないお取引より、実際に対面したほうがお互い信頼関係を早く築きやすいのだと思います。

せっかく助かった命、無駄にしないで1匹でも多く幸せになってもらいたいです。

本文中、あえて「亡くなった」ではなく「死んでいた」「殺された」と書かせていただきました。
事実をもれなく伝えたかったので、そう書かせていただきました。
また、詳しく書くと模倣犯の手助けになるのではないか？という事も言われますが、それよりももう二度と繰り返して欲しくない、詐欺や虐待がボラさんの大げさすぎる表現ではなく身近で起こっている事だということ、保護主さんやボラさんに最低限の里親の条件を知っていただきたい、なぜ条件が厳しくならざるをえないのか里親希望者さんにご理解いただきたいという気持ちが勝りました。
私は経験がないため、間違った事、もっとこうだったらよいことがあると思いますので、ご意見等ありましたらお願いします。