
これは鹿ニカワ。高級品。
大きなお皿にたくさんの絵の具を作っています。
気温が高いとみるみる腐り、気温が低いと固まるニカワ。
冬は、電熱でお皿を温めながらニカワがゼリー状にならないようにします。
パレットみたいな便利なものは使えなくて
大小、たくさんのお皿が必要になります。
筆も何種類も、何本も必要です。
絵の具は使いこなせるまで時間と経験が必要だし
気軽な水彩画とは何もかも違います。
習い事にするには、好きでないと難しいです。
画題を決定するまでには、室内でデッサンしたり
屋外へスケッチに出かけたりもします。
鉛筆、色鉛筆、透明水彩絵の具、顔彩、パステル、コンテ
などの画材も必要です。
ただ沸き上がる感動を形にしたくて、突き動かされる衝動。
絵描きさん、やっぱり変(笑)
筆もニカワも、昔からあるものは生き物から作られています。
白い猫毛の筆も、見たことがあります。
命をいただき、人は生きている。
道具に感謝し、ありがたく使わせていただく。
私が興味があるのは森羅万象、自然から学ぶこと。
日本人が見つめてきた花鳥風月、命の素晴らしさ。
それば、道具の中にも込められていると感じています。
ニカワを使わず、化学的に作られたものを
今の日本画界では使ってる方もあるようです。
でも、私は化学物質過敏症になり
命から生まれるものしか、人は使えないことを
身をもって体験しています。
誰でも、化学物質にさらされ続ければ必ず体は壊れます。
命がけ。
日常はきっと毎日命がけ。
猫にあげるご飯も動物たちの命がけ。
猫の皮からできる三味線も……。命の響き。
命の素晴らしさをありがたくありがたく
音に乗せて体感させていただく。
そんなこと、考えたりしてます。
最近のコメント