新しいお名前はミロちゃん。
みこに似た響き+弥勒菩薩のミロだそうです。
弥勒の梵名であるマイトレーヤは「慈悲から生まれた者」という意味。
思慮深く愛情深いみこちゃんにぴったりです。
元飼い主が付けた名前は「モコ」でした。
我が家にいた1週間はママちゃんと呼んでいました。
預かりのすのさんに「みこ」という保護ネームをもらい、
終の棲家で「ミロ」になりました。
名前が変わるごとに出世していく、まるでブリのような猫さんです。
彼女は当初リリース予定でしたが、
土壇場で戻る場所がなくなってしまい、保護しました。
保護当時の様子↓
みこちゃんはとにかく飢えていました。
食べものもそうですが、人の愛情に。
餌やりばーちゃんの家で他猫を威嚇しながら居座っていたのも、
おそらく、愛情を独り占めしたかったから。
畑に出る時もゴミ捨てに行く時も、とにかくばーちゃんの足元から離れなかったそうです。
我が家でもやはり、みこ番の夫が保護部屋から出ると、大きな声で呼んでいました。
頭が良い子ゆえに置き去りにされる恐怖と戦っていたんだと思います。
分離不安症の気がありました。
すのさんが預かりを申し出てくれて、彼女の猫生が一変。
寄り添い、丁寧にケアしてくれ、本当によく面倒を見てもらいました。
みこちゃんは愛される喜びとお家猫の楽しさを知ったんです。
彼女もまた愛情に応えるように家猫として順応していきました。
食餌もトイレも通院も、しつけも、先住犬とも、
なにひとつ困ることがなかったそうです。
ただ、猫風邪の後遺症で涙目が治らず、そのことだけは気がかりだったそう。

せめて人懐っこかったら…
体調万全だったら…
などと、勝手なことを思いながら募集しましたが、
そんなことは運命の赤い糸の前では杞憂なのですね。
応募してくださったアプレミディさんのご主人はなんと人間のお医者さん!
お見合いの時、キャリーで固まるみこちゃんを撫でながら、
タダで目薬つけ放題なんで、大丈夫です♪と。
なんたる幸運! なんたるご縁!!
立派なお家もさることながら、フードや脱走に関して真摯に向き合われてますし、
なにより、みこちゃんがみこちゃんらしく生活できるように配慮してくださる最高の里親さんです。
お届けの日に、みこちゃんの大好きな毛糸のボンボンを作って待っていてくださったり、
預かりさんちであげていたキャベツごはんを継続されているのも、その表れだと思います。
ペットを自分の生活に合わせようとする人が多い中、頭が下がる思いです。
今では私が分離不安症なんですよ、と笑う里親さん。
私は胸がいっぱいになりました。みこちゃんの前途は、明るいです。
譲渡誓約書を取り交わしにお伺いした日、
私の声が聞こえただけでとっさに雲隠れしたみこちゃん。
猫さらいが現れると、どこかに連れて行かれるというのを学習しているようです。
本当に賢い子。
何しにきたのよー!とご立腹の図。

ママ、わたしをどこにもやらないで!とすがる図。

私はみこちゃんに大人猫のサクセスストーリーを見せてもらいました。
物乞いをして暮らしていた宿無しのシングルマザーが、
蝶よ花よと愛される、箱入り娘に変身したんです。
ミロちゃん、卒業おめでとう。
もう二度と猫さらいは現れないので安心してください。
パパとママとお兄さん。家族の愛はあなただけのもの。
そしてあなたの愛も家族だけのものです。
ずっと。

最近のコメント