朝からソワソワ。
けして取り逃がしたりとか、失敗は許されない。
懐こい子たちだからそういう心配はいらないと思うけど。
7時半、猫屋敷へ。
あらら・・・時すでに遅し、カリカリが山盛りケージの中へ。
いつもは8時頃にご飯だけど、出かける用があるので早めにご飯にしたんだそう。
まぁ、先生のところで絶食してもらってから手術すればいいので、問題はないんだけどね。
上のケージの子たちのお水とご飯皿を引き上げ、下のケージの手術を受ける予定の子を向かい側にある空きケージに移動させる。

あ~、また激しくナメナメ。
手術が終われば少しは楽になれるかな。
あとは先生の手が空く時間までこのまま待機。
先生は、朝は牛舎の仕事があるから朝一でいかなくてもいいのよね。
手術時間も先生の都合の良い時間だから、決まってはいないし。
病院に着いて、玄関から声をかけたけど、返事がない。
まだ牛舎なのかな?
牛たちはすでに庭でくつろいでいる。

近寄っていたら、番犬に吠えられた。
その声を聞いて、先生のお母さまが牛たちの方からやって来てくれた。
「今日、猫たちの手術の予定で来たんですけれども、先生はどちらにいらっしゃいますか?」
「母屋にいるはずだよね、二階にいると思うんだけどね。」
もう一度、ピンポンを押して「ごめんくださーい」と声をかけた。
軽トラの荷台にケージに入れられた黒白の猫がいた。
「この猫ちゃん、どうしたんですか?」お母さまに聞いてみた。
「喧嘩しちゃってね、怪我したから見てもらったんだよ。」
怪我してるのか・・・それでも室内のケージでなくて、庭の軽トラの荷台にケージを置いとくって。
この猫的には、その方が落ち着くからなのかな?
出来る限りいつのも環境で「安静に」=「狭い所に閉じ込めておく」なのかな。
そんなことを話していると、先生が出てきたので、車からキャリーを運び出す。
キャリーごとケージに入れる。
ケージの扉を閉めると、「ここに名前と電話を書いて」と紙とペンを渡される。
一応、名前くらいは覚えてもらってるけど、診察券って無いし、カルテらしき物も見たことがない。
「17日ごろ、電話してみて。」
「ハイ、わかりました。朝ご飯を食べちゃってるので、手術は夕方とか夜になりますか?」
「んー・・・、半日くらい置いといて、落ち着いてっからかな。興奮してると麻酔を余計に使わなくちゃだから。」
なるほど・・・わかるような、わからないような。
すべて先生にお任せします。
「では、よろしくお願いします」そう言って、病院を後にした。
はぁーーー、ひと仕事終わった。
あとはお迎えかな。
上のケージの子たちは、このまま本当のお家へお届けになる予定。
もう二度と猫屋敷には戻らないと思う。
キャリーに移すときに、ママ猫が寄ってきた。

「ママちゃん、心配いらないからね。この子たち、幸せになるからね。」
そう言ってケージの扉をあけた。
ママと子供、近寄ってキス。

「元気でね、いい子にするのよ。」
そう言っているような気がした。
ママは、子供にキスした後も体をペロペロしてあげてる。
もうこれで、お別れだって、わかってくれてるのかな。
猫屋敷の猫達、普段からとても仲がいい。
もうすっかり子離れしてるけど、親子の情をとても感じられる。
空っぽになったケージの前で見送ってくれる二人のママたち。

親子を引き離しちゃうけど、みんなそれぞれ、幸せの道を歩んでいくからね。
ゾッチャはウルウルしながら、病院へと車をはしらせたのでした。
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