病院に連れて行った翌日の夕方に電話したら、「1日様子みて、今日、手術したから・・・」とのこと。
他にもなんか言ってるけど、はっきりとは聞き取れない。
とりあえず手術は終わった、そういうことらしい。
どうだったんだろう、気になる〜
さらに翌日、土曜日の午前中に病院へ行ってみた。
車を停めると先生が牛舎から出て来た。
「お世話になりました。あの〜猫達の様子はどうなんでしょう」
先生は、黙ったまま、靴を履き替えてケージのある部屋に入っていく。
「入っても大丈夫ですか?」と聞いてみたけど返事は聞こえない。
とりあえずそのまま先生の後をついて行った。
薄暗い部屋のケージの中に仲良しチャトラが一緒に入っている。おとなしい。

仲良しチャトラ、部屋が暗いせいだろうか、いつもより黒目が大きく、家猫っぽく見える。
可愛いけど・・・印象が違って別猫みたい。
このままお届けして、「この子じゃない・・・」とか言われないだろうか。
少し不安になった。
別のケージに、大きい方のチャトラが奥の壁に張り付いている。

物凄く怯えた様子。
「頑張ったね、もう少しここで良い子にしててね。」と声をかけた途端、大声で「ニャーニャー」叫び始める。
知らない所に連れてこられて何かされちゃったし、なんだかオチリが痛いし、怖いよね。
ごめんね。
「先生、こっちの二匹だけ一緒にしてるのはなぜなんですか?」
素朴な疑問を聞いてみた。
いつも一緒にいる二匹だとか、そういうことを話していないのに、同じケージにいる。
チャサンやママちゃん達だって、別々のケージに入っていたし、今だって空いているケージだらけだしね。
「あ?ああ、別に・・・大きいのが暴れてるから別にしただけ。」
ふーん・・・暴れなかったら、3匹一緒にしたんだろうか。
細かいことが気になるゾッチャだった。
「じゃ、明日迎えに来て。入れとくから。」と言われた。
やはり、後一日預かってくれるようだ。
だいぶ寒さが緩んできたとはいえ、朝方の最低気温はまだ2度、少しでも暖かく過ごして体を回復させてもらえればありがたい。
いつも、必要最低限の事しか会話がない。
たまには雑談とか出来るのだろうか?
そういう好奇心がわいてきたので、「先生に去年の夏、診ていただいた物凄く凶暴な子猫、元気になって、その後二か月も噛み付いてきてましたけど、今は落ち着いて家猫になりました。その節は、大変お世話になりました。」と言ってみた。
先生は全く覚えてない様子で、一瞬、「えっ、」と小さな声が聞こえた気がするが、「じゃぁ、明日の今頃来て」と全くスルーされてしまった。
ここでは凶暴な猫の診察なんて珍しくもないのだろう。
それにしても「あ~そうなんだ~」とか、「へぇ~」とか、たとえ覚えていなくても相づちの一つも打ってくれてもよさそうだったけど、こういうのがこの先生らしさ、と言えばらしさかなぁ。
大きいチャトラの隣のケージには大きな長毛の猫がいた。
この子も保護猫?それとも家猫?
他のオーナーさんに行き会ったことはないけど、多少の患畜はくるみたい。
「じゃぁ、明日お迎えに来るからね、ゆっくり休んでてね」
そう言って病院を後にした。
「ニャー!ニャー!(おいてきぼりかー?はやく帰りたいよー)」そう言ったかどうかは分からないけど、3にゃんは大声で鳴いていた。
いよいよ明日はお届け、今日のうちにできる事をこなしておこう、と思ったら夕方また猫屋敷から電話。
「悪いんねぇ、猫砂取り替えの時、油断したら白いのと茶色いのが逃げちゃったんだよ、悪いんねぇ」
頼みたいことをはっきりと言わないけど、捕まえに来て~という電話だった。
とりあえず行ってみると、二匹は影も形もない。
しばらくは竹藪で見え隠れしていたようだけど、何処へ行ったやら。
大人猫達ものんびりしてて、慌てる様子がない。
小さい時には真剣にみんにゃ大騒ぎしたけど、もうそういう年頃じゃないのかな。
辺りが暗くなり始めた頃、二匹は戻って来て、椿の木の下とかに潜って遊んでいる。
どの植木も枝が地面すれすれから出ていて、猫にとってはいい隠れ家だ。
手を伸ばしてもそうそう捕まえられない。
それでも茶色いほうを捕まえてケージに戻す。
白いほうは、まだまだはしゃいでいる。
まあね、普段狭いケージの中から外を眺めるだけで、遊ぶことなんてないから、たとえお腹が空いていたってそうそうこのチャンスを逃すはずがないよね。
いつも同じカリカリをもらう以外、なんの楽しみもない子たち。
不憫で仕方ない。
が、食べることに困らないだけでも、運がいい子たちなのだろうか。
ケージに入れられた茶色いのが「にゃー?にゃー?」と呼んでいる。
その声に白い子もケージ回りに戻ってきた。
そして、棚の上のカリカリにありつこうとしたところを御用、カリカリの続きはケージの中でという事になった。
┐(´д`)┌ヤレヤレ ̄ ̄
明日は大きいほうのチャトラが帰ってくるよ。
仲良く迎えてあげてね。
日曜日、いよいよ今日は仲良しチャトラ君たちをお届け。
いそいそと病院へ。
またしても番犬にワンワンと吠えられる。
その声を聞いてか、先生が玄関ドアをあけてくれた。
「おはようございます」
挨拶をしつつ入っていくと、すでに先生はキャリーをもって運び出してくれるところだった。
すぐに車のドアをあけて、キャリーを受け取る。
大きい子が入っているほうのキャリーは先生が持ってきてくれて載せてくれた。
ありがとうございます。
「後2匹いるって言ってたのは、いつでも連れてきていいから。様子見てやるから」
先生はそういうと、さっさと建物内に戻ってしまった。
さて~無事手術が済み、みんにゃ、良かったね~
大きいチャトラを猫屋敷に戻さなくちゃ。
残る2匹に気が付かれないように、裏庭側の道路に車を停めた。
車を降りたとたん、チャサンが飛んでくる。
ありゃぁ~もうばれたのか。
キャリーを一つ手にして、庭へ。
足元を熱烈歓迎のチャサンがまとわりつくので、一歩、一歩、踏まないように気を付けながら進む。
「帰って来たよ〜」
そう言いながら、ケージに入れる。
たけど、昨日からご機嫌ナナメのチャトラくん、無視してお水をガブガブ飲んでいる。

白い子が来てオチリの匂いを嗅ぎまわる。
「やめろってばー」振り返ってシャーー!!
その後も残ってた方のチャトラ君にもシャーー!
病院から戻ってきた子に「シャー!」はよく聞くけど、戻ってきた子がシャーしてるよ。
だけど、ママやチャサンにはシャーしない。

ふむ、兄弟に対して何か不満があるらしい。
心細い時に一緒にいなかったからかな?
もうすぐ、白い子とチャトラ君も手術に行くよ。
みんな、一歩大人にならなくちゃなんだよ。
君たちもいつか、名前を付けてもらって、優しい声で呼ばれるようにならなくちゃね。
上のケージにいた仲良しチャトラ君たち、その後、本当のお家へお届けしました。
ちょっと緊張しながらも二人一緒だから大丈夫。
名前を呼ばれて、「にゃあ?」って振り返る日はもうすぐだね。
りっぱな名前を付けてもらったよ。
もう猫屋敷のチャトラ、短い尻尾の子、ぐるりんシッポの子じゃないよ。

ママ達も祝福してくれてるよ。
いつか虹の橋で会った時に、たくさん幸せなお話聞かせてね。
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