そういう話を聞いたただけで、チャサンの亡骸を見たわけではないけど。
昨日は前日までの体調不良にもかかわらず、現場に同行。
ステロイド、大量摂取したので動ける、辛くない、苦しくない。

美しい山と、残雪と水辺に癒され、元気に帰って来ました。
勢いあまって、戻ってからも庭の土木作業を。
あたりがうす暗くなって来た頃、猫屋敷から電話が。
「仕事で疲れて帰って来たところ、ごめんね。
実はチャトラが亡くなったんだよ。」
え?!
誰が?
チャトラって?
「チャサンですか?」
「そうなんだよ〜。今日は山に行くって聞いてたけどお昼に電話したら電波が届かないって言われて、夕方なら戻ってるかなって思って。
もう○子さんと一緒に埋めたんだけど。」
庭の小さな紫陽花を切って猫屋敷へ歩いて行く。
裏手の道から入って行く。
いつも一番先にお出迎えに来てくれるチャサンが来ない。
やっぱり本当なのかな・・・
猫屋敷の家の前はセンターラインのある道路。田舎道だから交通量はそう多くはないが、車はかなりスピードを出して走っている。
チャサンを見つけたのは○子さん。
センターラインのある道路を挟み南側に住んでいるのだけれど、猫屋敷の裏手の畑を借りている。
畑仕事しているときはいつもチャサン達が監督してくれている。
猫達のケージをつくってくれたり、日焼けのヨシズを編んでくれたりお世話をしてくれている。
昨日もいつものように朝9時に畑へ向かおうと、道路をわたる。
猫屋敷の敷地に入ってすぐの草むらにチャサンが横たわっている。
いつもなら、足元にまとわりついてくるのに、今日はどうしたんだろう。
ふざけているのかなって思ったそう。
だけど側に行って触っても、もうチャサンは動かなかったそう。
慌てて家の中の奥様に声を掛ける。
チャサンは日の当たる場所に寝ていてまだ体は温かく柔らかかった。
奥様は猫達をあまりさわれない。
時々、ナデナデ出来るかな、くらい。
「あたし、初めてチャサンを抱っこしたかも。
前に抱っこしようとしたことあったんだけど、抱き方がわからなくてすくおりちゃったんだよねぇ。
死んでっからようやく抱っこしたよ。」
そう言いながら、涙をこぼす。
死因はよくわからない。
前日の午後、虫下しの薬を飲ませに行ったときは、元気だった。
ご褒美の美味しいオヤツ、チャサンはカリカリしか食べないから、病院でもらったロイヤルカナンの子猫用を出した。
子猫用はチャサンにウケがいい。
美味しそうに頬張っているうちに、車の前に立ちはだかられないようそっと車を出し、猫屋敷をあとにした。
まさか、これが最後のオヤツになるなんて。
チャサンは怪我もなく眠ってるようだったという。
体の具合が悪かったのだろうか。
それとも道で事故にあい、敷地に戻って体を休めているうちに脳出血でも起こしてしまったんだろうか。
いずれにせよ、苦しんだ様子はなく眠るように旅立ったらしい。
あと5日で猫屋敷初訪問から一年だった。

もう1年なのか、たった1年なのか。
旦那様が倒れた時も、葬儀の時も、いつも気をくばり、優しく奥様を支えてくれていたチャサン。
奥様は猫があまり好きじゃないって言ってたけど、チャサン達は違う。
猫好きの旦那様と一緒に、猫の飼い方も知らないけどただ可哀想だからと餌だけ与えていた。
だけど、気持ちの中では大切に思っていたに違いない。
旦那様が亡くなられてからは、奥様の心の支えになってくれていたチャサン。
「旦那さんが寂しくって、呼んだんかねぇ。
今頃、『よく来たな』って抱きあってるかねぇ。」

せめてもの慰めのようなことを言う。
もう二度とチャンサンに会えない。
それだけははっきりと分かった。
チャサンが安らかに旅立ったのならそれで良い。

安らかにね、チャサン。
残る子供猫2匹、もう大きくなったし、ずっと庭のケージにいれておくのはどうか、と言う話も時々出ていた。
あの子達は撫でてもらったり、遊んでもらっているわけじやない。
2匹一緒にいるからまだ楽しいこともあるんだろうけど。

自由に?
勝手に?
放せば好きにするだろう。
だけど・・・
一年近くずっとケージ暮らし。
いつか家猫になれる日まで、ケージの中で我慢させて来た。
いまさら外に放しても大人猫のように暮らせるか。
そしていつかチャサンのように、早々に亡くなってしまうのか。
あの子達にはまだ我慢してもらって、希望を捨てたくない、いつかチャンスがくるかも、そう思いたい。
ごめんね。みんな。
最近のコメント