まだ雲はだいぶ多いいけど、大学生2はバイクで出かけて行った。
直後、電話がかかってくる。
「ニャアが事故にあったところで、猫がひかれてる!」
白トラは出かけてる。

「どんな猫⁉︎」
「ふぅみたいな。マンホールの上だけど、隅に避けておいたほうがいいかな」
できればそうしてもらった方がいいけど、これから100キロ先のバイク屋に修理依頼に行く途中だし。
「こっちですぐそこに行くから。
心配しないでそのまま行って。」
と、そのまま目的地へ行ってもらった。
9時20分。
丘の上の緩やかなカーブのその場所は、事故にあう猫が多い。
普段あまり通らないのだけど、時々そういうことに遭遇する。
シャベルと新聞紙とクリチューを車に積んでいく。
まだ一歳になっていないくらいの子供猫。
ふぅが痩せたかんじ。
雨が降っているうちに事故にあってしまったのか、毛皮が濡れていた。
あたりに家はないし、首輪もない。
野良なのかな。
こんな時は市に電話して回収に来てもらうらしいけど、それはする気になれなかった。
すぐ傍の墓地の木が並んで植えてあるところの根元に埋葬した。
一年も経たないうちに何もわからないくらい土に還ってしまうだろう。

生まれ育ったこの地で安らかに眠ってね。
薄チゃトラの子。
クリチューとピンクの百日紅を供えた。
ここには、キジシロくんも、キジトラくんも白ブチちゃんも眠ってるよ。
みんなで仲良くね。
うちの子かも。
電話がきた時、一瞬だけどかすかに脳裏をよぎった。
色合いを聞いて、白トラじゃないってホッとした。
ごめんね、うちの子だって、よその子だって事故にあっていいはずはないよね。
ふぅに似た、薄チャトラの君。
一年前の出会いがなかったら、この子がふぅだったかもしれない。

たしかに頑張って生きてたこと、忘れないからね。
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