
地味にTNRを進めていても、吉田さんちのお母様みたいな多頭崩壊予備軍が
闇雲に猫を増やして放していたら、不遇な猫はちっとも減りません。
野良猫と飼い猫の境界があやふやなこの町では、TNRよりも飼い主の意識の底上げのほうが先だと思いました。
だって本当に、きりがないです。
蛇口をしめる、とはよく聞きますが、
我が町では、蛇口より根元の、水を供給する井戸からぶっ壊さないと間に合わない。
飼い主や地域住民の意識も変えつつ、TNRも進めたい。
そこで、町民参加型の集団手術を定期的に開催したいという考えに至りました。
町の人々に広く啓発したい。そのためには行政の協力が必要不可欠です。
町が主体でやってくれるのが理想ですが、まずは取っ掛かりを作らなければなりません。
幸いなことに、埼玉県には野良猫専門の動物病院があります。
移動オペ室のトレーラーを引いて出張手術にも来てくれ、
どうぶつ基金の無料チケットも使えます。
まずは場所を、役場の駐車場を貸してもらえませんか? とお願いに行きました。
担当者は誠実な方でした。
年々増える、餌やりと野良猫に関する苦情に頭を悩まされているようで、
「ありがたい話なので、場所を貸して終わりではなく、
町として協力できることを検討したいので時間が欲しい」と言ってくれました。
それでも、まわりからは、行政に期待しても無駄だとか、動き悪いよ、とか、
実体験交えながら苦々しい意見ばかり。
なので、この話は日記にあげられませんでした。
もし、話が頓挫してしまったら、これから行政に働きかけをしようと思っている方の足かせになってしまいそうで怖かったから。
まあ案の定、2か月ほど放置プレイ喰らいましたが、
再び町の担当者からお呼びがかかり、
昨日、TNRと地域猫活動、および適正飼養についてのプレゼンを行なってまいりました!
結果、場所の確保と広報誌掲載の確約。
TNRと地域猫活動の広報、
どうぶつ基金の行政枠登録の検討、
捕獲器購入の検討、
猫ボランティア登録制度の検討、を約束してくれました。
町にあまたいる野良猫にとっては、そよ風がそよいだ程度です。
でも私と町にとっては大きな一歩。つむじ風が吹きました。
前回、担当者さんに「NPOやどうぶつ基金の関係者ですか?」と訊かれて答えに詰まったんです。
私には後ろ盾も肩書きも実績もありません。
なのに大風呂敷を広げたことに恥ずかしくなって、小さな声で返すのが精一杯でした。
「ただの一町民です。猫好きの」
私は無力です。何も持っていません。
だけど、志だけは持っています。
いつか、夢が現実となる日を信じて。
ただの猫好き町人、がんばります。
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